中国・北京を訪問しているアメリカのキッシンジャー元国務長官は19日、外交トップの王毅政治局員と会談し、対立が続く米中両国について「相手を孤立させたり、切り捨てたりしようとすることは認められない」と強調しました。

1970年代に米中の国交正常化を主導し、現在100歳のキッシンジャー元国務長官は王毅政治局員に対し、「米中の安定した関係を維持することは世界の平和、安定、人類の幸福に関わる」と指摘。米中の対立が続く中、「どんなに困難であっても双方は対等に接し、接触を保つべきで、相手を孤立させたり、切り捨てたりしようとすることは認められない」と強調しました。

一方、王毅氏は「中国を変革しようとすることは不可能で、中国を包囲し、封じ込めようとすることはさらに不可能だ」とアメリカ側をけん制しました。

そのうえで、「アメリカが台湾海峡の安定を望むのであれば『台湾独立』に明確かつ公然と反対し、分離主義的な行動とは明確に一線を引いた行動を取るべきだ」と求めました。

キッシンジャー氏と王氏はほかに、ウクライナ情勢やAI=人工知能の問題についても話し合ったということです。