東日本大震災で被災した岩手県陸前高田(りくぜんたかた)市の松で作られ、善光寺に安置されている「おやこ地蔵」が、4年ぶりに里帰りすることになりました。

善光寺の本堂脇の地蔵堂に安置されている「おやこ地蔵」。

東日本大震災の犠牲者追悼のため善光寺と陸前高田市の有志が中心となり、津波の被害を受けた松を使って震災の翌年に完成させました。

実は善光寺に安置されているのは、4体のおやこ地蔵のうちの1体、お父さん地蔵です。

お母さん地蔵と子ども地蔵2体は、震災犠牲者の遺骨が納められている陸前高田市の普門寺(ふもんじ)におかれ、地域住民の拠り所となっていて、コロナ禍前は、年に1回善光寺のお父さん地蔵がこの時期に里帰りしていました。

コロナの影響も落ち着いたことから、2023年は4年ぶりに陸前高田市へ帰ることになったお父さん地蔵。

善光寺一山の住職4人とともに、22日に普門寺で行われる地蔵盆(じぞうぼん)に合わせて帰省します。

林明晋(はやしめいしん)寺務総長
「一般の家庭だと、ご家族亡くされて十三回忌となると薄れてくるが、なかなかそれでは語れない傷跡なのではと考えています」

4年ぶりの再会を果たしたのち、お父さん地蔵は25日ごろ、善光寺に戻る予定です。