ロシアがウクライナ産穀物の輸出合意の履行停止を表明したことをめぐり、ゼレンスキー大統領は17日、ロシアなしでも輸出を継続できるとの考えを表明しました。

ゼレンスキー大統領は17日公開したビデオメッセージで、「いかなる国にも、他国の食料安全保障を破壊する権利はない」と述べた上で、ロシアが合意を離脱しても、黒海を通じた穀物輸出を継続できるとの考えを示しました。

また、ゼレンスキー氏は、国連のグテーレス事務総長とトルコのエルドアン大統領に輸出継続の必要性を訴える書簡を送ったとしています。

合意の仲介役である国連・グテーレス事務総長は17日、ロシアが穀物輸出の合意の履行停止を表明したことについて、「深く遺憾に思う」と表明。合意によって、これまで3200万トン以上の食料が輸出されてきたとした上で、今回のロシアの決定は「世界中で困窮する人々に打撃を与えるだろう」と懸念を示しました。

また、ロイター通信によりますと、トルコのエルドアン大統領は17日、「プーチン氏は合意の継続を望んでいると思う」と話した上で、17日中にトルコとロシアの外相が協議することを明らかにしました。

また、エルドアン氏自身も近くプーチン氏と電話会談する方針を示したほか、8月にはプーチン氏と会い、「これらすべての問題について話し合う機会があり、ロシア産の穀物や肥料の輸出に向けても話し合う予定だ」と述べました。