日本に4台しかない『幻のピアノ』として知られるフランス製のグランドピアノ。
そのうちの1台が新潟県三条市の「三条東高校」にあり、2021年に修復に出されていましたが、8月にいよいよ戻ってくることになりました。

鍵盤が沈み込んで動かなくなった“幻のピアノ”の由来

ここまでの道のりには多くの人の支えがありました。

このピアノがある三条市の三条東高校によりますと、およそ90年前に前身となる「三条高等女学校」時代に同窓会や保護者らの寄付で寄贈されたそうです。

1930年にフランスの職人が製作したこのピアノは、国内で残っているのはわずか4台と言われ「幻のピアノ」とも称されています。

BSN新潟放送にも、41年前の1982年に校舎で美しい音色を響かせるエラールグランドピアノの「貴重な映像」が残っていました。

【当時の生徒】
「やっぱり有名な楽器だから、すごく楽しみながら弾けるって言ったらおかしいかもしれないけど、すごくいい気分…」


しかしその後劣化が進み、鍵盤の多くは沈み込んだままの状態に…。
このピアノを甦らせようと活動してきたのが三条市の声楽家・永桶康子さんです。
ピアノを修理するためにNPO法人を立ち上げ、市民からの寄付や三条市や燕市の企業などから寄付を募り、ようやく2021年6月に修復に出せるようになったのです。

【オペラ歌手・永桶康子さん】
「言葉では表せませんけども、どんな音が鳴るかなって楽しみです…」

そして今年の6月下旬、永桶さんはピアノの様子を見るため修復を行っている埼玉県新座市のピアノ工房を訪れました。