岸田総理は訪問先のサウジアラビアでムハンマド皇太子と会談し、脱炭素化に向けた協力の構想を打ち出し、関係を強化することで一致しました。

日本が打ち出した「グローバル・グリーン・ジャーニー」は、クリーンエネルギー技術などの協力を通じ、中東全体を次世代燃料や鉱物資源のハブにする構想です。

“脱炭素化”を掲げるサウジアラビアに幅広く投資をしながら協力を深めます。

岸田総理
「産油国と消費国というこれまでの日本とサウジのエネルギー関係から脱皮し、脱炭素の時代における新たなグローバルパートナーシップへと進化させます」

外交・安全保障分野では「外相級戦略対話」の設立で合意しました。

日本が意識するのは中国です。コロナなどもあり、総理の訪問は3年半ありませんでしたが、その間に中国がサウジアラビアとイランとの関係正常化を仲介するなど存在感を高めています。

日本としては地域の大国であるサウジアラビアに「自由で開かれた国際秩序」の重要性を訴える必要があり、ある外務省幹部は、総理訪問を「これ以上、遅らせられなかった」と語りました。

サウジアラビアは物事が“トップダウン”で動くだけに、総理の訴えがどこまで響いたかが今後を占う鍵となりそうです。