大分土産で圧倒的人気を誇る「ざびえる」と呼ばれるお菓子があります。一度は消滅しかけたこのスイーツを一途な思いから復活させた製造会社の現社長、太田清利さんを取材しました。
「ざびえる」は65年前の1957年に創業した大分市の「長久堂」が手がけ、バターをいかした味わいと垢ぬけたパッケージに根強い人気がありました。
しかし、会社は2000年自己破産、「ざびえる」は店頭から姿を消し、味わうことはかなわなくなりました。
復活への決意はかたく私財を投入
長久堂の関係者や肩を落とすファンから復活を望む声はあちこちで上がり、背中を押す大きな支援となりました。販売の仕事をしていた太田清利さん(現、ざびえる本舗社長)が復活ののろしを上げると、一緒に働いていた有志6人がこの味を行く末まで残していくことを決意、2001年1月、大分市郊外の荏隈で太田社長をトップとする「ざびえる本舗」が産声をあげました。
そして、長久堂で使用していた窯を引き継ぎたいという思いでしたが、固定されていて移動させることができないことが分かると、電気で焼く高価なラック窯を私財を投じて購入しました。この時の後には引けない気持ちを太田社長はしみじみと振り返ります。