「暴力団は簡単には抜けられない」抜けても仕事先で車で追跡… 選んだ ”逮捕”

A受刑者は、数年前に暴力団の構成員をやめました。ただ、厳しい現実に直面することになります。

A受刑者 暴力団の元構成員
「暴力団は仲間という結束力が強くて、簡単には抜けられない。抜けるにあたっては金を納めたり、袋(叩き)にされたりします。大勢で、集団で…」

― それを経ても抜けられない人もいる?
「中にはいます」

暴力団を抜けた後も呪縛は消えませんでした。地元とは離れたところで仕事をしていたときも、2台ほどの車に長距離を追跡されたといいます。逃げきれないと思ったA受刑者は「覚せい剤をやった」と警察署に自首し、逮捕されました。

地元に戻ると、また暴力団に接触される恐れがあるため、出所後はまったく違った環境で仕事をする決意です。

A受刑者 暴力団の元構成員
― 戻ると危険?
「危険ですね。何があるか分からないので…」

― 罪を犯したことへの後悔は?
「後悔は、心の中で思っているのは二度と来たくない刑務所に来て、本当に嫌だなと思いました。仕事もきついですし、確かにお金も少しはもらえますけど、金額も全然少ないです。生活にも自由はないですし、親にも迷惑をかけたなと思います。職業訓練コースにはいろんな資格があるので、(資格を取って)ヤクザの方から一切追って来ないようなところへ、離れて仕事をしようかなと思います」

再犯防止推進白書によると、1年のうちに刑務所などに入所する受刑者の数は、2017年には1万9336人でしたが、2021年には1万6152人となり、減少傾向です。ただ、再入所、つまり刑務所に戻って来た人の割合は約6割です。この割合も2017年の59.4%から2021年の57%にやや低下しているものの、依然、高い水準が続いているとして、国は再犯防止のための取り組みを進めています。