カップ麺にアイスクリーム、スナック菓子など多くの食品が続々と値上がりしています。地場の食品メーカーも値上げを余儀なくされる中、小売業界には消費者の生活を応援する動きが出始めています。

福岡市西区にある食品メーカーの「マルタイ」です。60年以上に渡って愛され続けている「棒ラーメン」など47品目を1日出荷分から10~12%値上げしました。2019年以来、3年ぶりの値上げとなります。

マルタイ・吉留郁常務取締役「小麦の価格が上がり続けているというのが一番大きいですね。さらには原油も高いですから、包装資材、袋も値上がりが続き製品を入れるダンボールも上がっております。このままでは耐えられないということで、価格を上げさせていただこうと」

一方、人気商品の「長崎皿うどん」は製造工場の減価償却費が下がったことを受け、なんとか価格を据え置きました。

マルタイ・吉留郁常務取締役「安くて美味しい商品を皆さんに届けたく製造・販売しています。耐えらるだけは耐えたいと思っておりますが、どうしても限界がくると、価格を変えるしかなく、ご理解をお願いしたいです」

帝国データバンクによりますと今年に入りすでに4770品目の食品が値上がりしていますが、6月から7月にかけてさらに3000品目以上が追加で値上げされる予定です。今年中に値上げされるのは今のところ8300品目以上にのぼり、平均の値上げ率は12%となっています。

買い物客「何でも値上がりだから大変ですけど、食パンが120円だったのが150円になって高くなったなと。わざわざ安いところに足を運んだりしています。値段は据え置きでも容量が少なかったりもするので、見た目に騙されやすいかなっていうのはあります」

相次ぐ値上げに対し、小売店の中には消費者の生活を応援する動きが出始めています。福岡に本社を置くディスカウントストアのMrMaxは1日、自社のプライベートブランドの商品について8月末まで価格を据え置くと発表しました。

MrMax粕屋店・若松祐樹次長「暮らしを応援できる商品をできる限り値上げをせずに、ディスカウントストアとして地域に貢献できれば」

価格の安いプライベートブランドは消費者にとって新たな選択肢となっています。MrMaxは今年3月から価格の据え置きを実施していて、売上をみると4月は18%、5月は16%前年よりも増加しています。

MrMax粕屋店・若松次長「マヨネーズや小麦は約2倍、その他にもトイレットペーパーやティッシュペーパーキッチンペーパーなども非常によく売れました」

また、ホームセンターのグッデイは1日から8月末まで約1200品目を値下げすると発表しました。ただ、電気やガスなど光熱費の値上がりも続いていて家計のやりくりは一段と厳しくなっています。

消費者「ウクライナ情勢もあり仕方ないとしか言いようがないが、じゃあ買わないとはいかないし、安心して生活できるほどの給料をいただきたいと思います」
消費者「値上がりしても賃金は上がらないのでそこを上げて欲しい」

総務省が公表している生鮮食品を除いた消費者物価指数をみると、今年3月から4月にかけて特に上がっています。一方、厚生労働省が調査した実質賃金指数は今年に入り減少傾向となっています。

物価上昇に賃金の伸びが追いついていません。経済に詳しい専門家は・・・。


ニッセイ基礎研究所・井出真吾上席研究員「日本で賃金がそう簡単に上がっていくとは考えにくいです。この先もですね2030年ぐらいまで平均的には年間0.5~1%ぐらい物価が上がっていくだろうというのが複数の調査期間の予測なんです。この先、5年後10年後に備える意味では、預貯金で置いているお金を少し資産運用に回して、利回りを確保していくこと。とにかく物価に負けないために少し資産運用をしてみるのも大事なことだと思います」