6月1日に施行された改正動物愛護管理法によって、ペットショップやブリーダーが飼い主に引き渡す前にマイクロチップを装着することが義務化されました。

マイクロチップは長さが1センチほどの小さなもので、1つずつに15桁の番号が割り振られています。このチップをペットの皮下に埋め込むことで個体を識別できるようにします。

主な目的は、飼い主がわからず殺処分されてしまうのを防ぐためです。日本では年間1万頭以上が殺処分されていて、災害やトラブルで迷子になってしまう場合もあれば、身勝手な飼い主が飼育放棄をするケースもあります。マイクロチップの義務化はペットを取り巻く環境にどんな変化をもたらすのでしょうか?

市民に受け止めを聞きました。

---マイクロチップつけていない飼い主
「うちは付けてないですね。中型犬ですから迷子になってもたぶん保健所にいくのでわかりますよね」
「体の中に異物を入れるとどんな影響があるかわからない」

---マイクロチップつける予定の飼い主
「飼っていたのに捨てたり無責任なことをしたり、散歩中にいなくなったりと色々なことが起こるので、そういう事態を防ぐ意味では絶対にいいことだと思います」

---マイクロチップ装着済みの飼い主
「子犬のときから首の後ろにはチップが入っています。迷子になったときに探せるように」

街では賛否両論あるようです。あるペット保険会社の調査によりますと、装着率は犬で6割、猫で3割ほどにとどまっています。普及しない背景には、飼い主が自分で動物病院を探して装着の費用も支払わなくてはならなかったことがあります。しかし、今回の法改正によって費用負担はペットショップやブリーダー側に移り、装着率が向上するとみられています。

肝心のチップはどのように埋め込むのでしょうか?

ペットショップの担当者「首の後ろに入ってます、触ってもわからない」

子犬や子猫はまずブリーダーから獣医師の元へ運ばれ、健康チェックとチップの装着が行われた後、店舗に引き渡されます。

獣医師「アレルギー反応が起きにくいようガラスでコーティングされている。首の後ろに打ち痛みは注射と変わりない」

埋め込んだ場所にリーダーをかざすとすぐに15桁の番号が表示されました。

チップが装着されたペットを引き取った飼い主は、30日以内にインターネットで氏名や住所、メールアドレスなどを環境省のデータベースに登録することが義務化されました。(登録手数料として300円ほどかかるものの、装着費用はあくまでもペットショップやブリーダー側の負担)。環境省に情報を登録しておくことで、もし迷子になって保護された場合に飼い主が特定できる仕組みです。

---ペットの健康に問題は?
獣医師「もしアレルギー反応が起こった場合は治療するか取り出すがめったに起こらない」
ペットショップの担当者「犬猫の幸せを考える上ではいい制度。迷子になっても家に帰れるペットが増えたり、飼い主もより責任感を持って迎えるようになってほしい」

課題は健康被害の懸念だけではありません。すでに国内にはペットとして飼われている犬や猫が1600万頭いるとされています。マイクロチップの義務化は“今後”“ショップなどで”引き渡されるペットを対象としており、NPOなどが保護する犬猫の装着は「努力義務」とされています。

その際にかかる数千円~1万円程度の費用も自己負担のままです。保護や譲渡を行うNPO法人は「すべての犬猫に装着するのは費用的に難しい。既にいるペットにも補助があれば広がりやすいのでは」と話しています。

法改正によってすべてのペットが安心して暮らせる環境が整うわけではないものの、チップ装着は一歩前進と言えそうです。福岡市は普及を後押しするために費用の一部を助成します。▽福岡市で飼われている犬猫▽先着100頭という条件はあるものの、1頭当たり1500円を助成することにしています(今月15日から受付)。