影響を受けるのは市民の8割…「水」をめぐる問題

三原市内の水道水の多くは、薬品に頼らず、自然の力で浄化する「緩速ろ過方式」で処理されています。これは、もともとの原水がきれいな地域でのみ可能な方法です。

住民らは、水源地となるこの場所の水質は、井戸水で暮らす人に留まらず、三原・竹原市民の8割に影響するとして、5年前から署名活動などで処分場の建設反対を訴えて活動してきました。

しかし、3年前に処分場の建設は許可され、去年9月からは廃棄物の搬入が始まり、先月、県が実施した処分場の浸透水の水質検査では、法定値を超える水質汚染が判明しています。

原告の1人 竹之内昇 さん
「5年・10年後にああいうものを埋めるんだから、(水質汚染は)出るであろう、それは覚悟しておりました。だけど1年も経たない、9か月くらいで大量に泡が出て、また水が臭い。ショックでね。この先、どうなるんだろうと。30年間、ゴミ入れて、その先の水はもう想像がつかないね」

原告団 山内静代 共同代表
「先祖や先輩方が努力して、努力してこの水を守って、そのおかげがあるわけじゃないですか。だからわたしたちは、それを次の世代に引き継ぐ責任があると思うんですよね。日本の廃棄物処理の方法が埋めて土をかぶせればそれでいいという前近代的なもの。見えなければ、それでいいというのは、もうやめなければいけない」

原告らは、一刻も早い設置許可処分の取り消しを求めていて、県が控訴を断念するかどうかに注目が集まっています。控訴期限は、今月18日です。

産業廃棄物最終処分場は、北海道、愛知に続いて広島県(76か所)が全国第3位の多さです。

原告らは現在、県に対して許可処分の取り消しと、処分場の買い取りなどを求めて署名活動しています。