熱中症予防のカギ「深部体温」 AVA血管とは

小川彩佳キャスター:
「深部体温」というのは馴染みのない言葉ですが、手のひらを冷やすことが熱中症対策になるんですね。

山本恵里伽キャスター:
熱中症対策のカギとなるのが「温度」です。12~15℃で手のひらを冷やすということが大事なんだそうです。

このメカニズムを見ていきたいと思います。
まず、手のひらには静脈・動脈が通っています。この2つの血管を結ぶ少し太い血管を「AVA血管」といいます。今回、取材に応じていただいた埼玉慈恵病院の藤永医師によりますと、AVA血管は体温調整を担っているということで、この血管を冷やすことによって深部体温=体の奥の体温を下げることに繋がる、熱中症予防になるということです。

小川キャスター:
12~15℃で冷やすということは、冷やし方にもポイントがあるんですね?

山本キャスター:
今回取材した中学校で使われていたのが、「適温畜冷材」と呼ばれるものです。氷ほどは冷たくならないものですが、「畜冷材」ってあまり聞き慣れないですし、自宅にもないですよね。

ただ、おうちにあるものでも簡単に深部体温を冷やすことはできます。それは、水の入ったペットボトルです。これを握るだけでも深部体温を下げることができるといいます。

ここでもポイントとなるのが、温度です。
15℃前後の水を入れたペットボトルを15~20分間握り続けてください。これが効果的だそうです。

小川キャスター:
例えば保冷剤や氷など、これ以上に冷たいものだとダメなのでしょうか?

山本キャスター:
よくないそうです。冷たすぎると血管が収縮してしまって逆効果になってしまいます。ただ、すでに熱中症の疑いがある場合には脇の下、首、足の付け根などを保冷剤で冷やしてください。急激に深部体温を冷やす必要があるので、熱中症の疑いがある場合には保冷剤を使って冷やすということです。

そして、寝る前にやっておくべきことを改めて見ておきましょう。
・湯舟につかって自律神経を整える
・就寝前に200mlほどの水分補給
・室温25~28℃、湿度50~60%に保つ

小川キャスター:
まだまだ暑い日が続きますので、対策を徹底していただいて、体調管理にくれぐれもお気をつけください。