下津井ダコで知られる岡山県倉敷市の下津井地区で、地元のタコ文化を多くの人に知ってもらおうとあるユニークな取り組みが行われています。天日干ししたタコ「干だこ」を使ってお世話になっている人に日ごろの感謝を伝えてほしい。インパクト抜群のお便りです。

こちらは全国でも有名な倉敷市下津井の水産加工品「干だこ」。

なんと、商品パッケージに直接貼られているのは切手に宛先です。

見た目のインパクトは強烈!その名も「多幸(たこ)メール」。

下津井漁港の近くにある観光施設「むかし下津井回船問屋」です。「多幸メール」を考案したのは施設で土産物店を運営する水産加工会社の「信和」です。

(信和 篠原義彦社長)「140円の切手を貼って、住所と名前とメッセージを書いたら。沖縄から北海道まで届くので楽しいと思います」

地元では近年、マダコの漁獲量が減少しているということで、商品のタコにはベトナム産のイイダコを使用していますが、下津井の食文化や魅力を多くの人に知ってもらいたいと地元の郵便局と協力し企画したということです。

(信和 篠原義彦社長)「(受け取った人は)皆さんびっくりしている。下津井はタコで有名なので、多幸メールが届いたら皆さんびっくりする上に、インパクトがあると思って始めた」

多幸メールは定形外郵便を利用していて、商品の代金と郵送料140円を支払い宛先とメッセージを記入するだけ。

あとは篠原さんが郵便局で発送してくれます。多幸メールは現在1か月で10通程度利用されているということです。

(下津井郵便局 山本耕示局長)「(ほかの郵便局から)おもしろい取り組みという声が聞かれた。地元の名産が認知されて、多くの観光客が下津井に来てもらえれば」

「多くの人に幸せが届けば」と想いが詰まった「多幸メール」です。新型コロナで落ち込んだ観光客を呼び戻すきっかけにつながればと地元の願いも込められています。