長野市の一部の水源で健康への影響が懸念される「有機フッ素化合物」が検出された問題で、10日、今後の地下水の調査や取水方法を検討する初めての会議が開かれました。


問題となっているのは、1966年に設置された長野市川合新田(かわいしんでん)の水源です。

地下40メートルから150メートルまでの深井戸から地下水をくみ上げ、水道水として活用しています。

この水源から水を引いているのは、国道18号と犀川(さいがわ)、千曲川に挟まれた地区や、川の対岸の若穂(わかほ)、松代(まつしろ)地区などで、およそ3万3千世帯、7万5千人の市民が利用しています。

10日に市の専門家会議の初会合が開かれました。

有機フッ素化合物は水や油をはじく性質があり、熱や薬品に強いため、コーティング材や消火剤などに広く使われてきましたが、自然環境や生き物の体内で分解されにくいことが分かっています。

毒性や健康への影響についてはまだはっきりしていませんが、国は3年前、1リットル当たり50ナノグラム以下とする暫定の目標値を設定。

これを受け長野市が同じ年の9月に調査したところ、川合新田水源の6つのうちの2つの井戸で基準を上回ったため、すぐに取水を停止しました。

市は新たな水源を確保するための調査を行う方針で、今後、地下水の上流地域で観測用の穴を掘り、水の分析をする予定です。

市は、2025年3月までに、新たな取水の方法を決めることにしています。