藤井聡太七冠に佐々木大地七段が挑戦する、王位戦七番勝負の第1局が7日から愛知県豊田市で始まりました。棋聖戦、そして王位戦と現在2つのタイトル戦で争う藤井七冠と佐々木七段について詳しく見ていきます。


(山内彩加アナウンサー)
きょう(7日)からの王位戦第1局はあす8日までです。第2局は7月13日と14日に兵庫県神戸市で行われます。

その次は棋聖戦で第4局が7月18日に新潟市で、続いて王位戦第3局が7月25日、26日の日程で北海道小樽市で行われます。


(夏目みな美アナウンサー)
5番勝負と7番勝負なので、将棋ファンの間では12番勝負とも言われていますが、藤井七冠にとって佐々木大地七段はいいライバルという存在なんですか?


(大石邦彦アンカーマン)
今の将棋界は藤井七冠を軸に回っていますが、もし藤井さんがいなかったら、 確実に20代若手ナンバーワンで、もう既にタイトルを取っていてもおかしくないぐらいの人が佐々木七段です。

藤井七冠の師匠・杉本八段に「佐々木七段がどんな存在か」と聞いたら、「今年度は絶好調なのでとにかく手ごわい相手だ」という話をしていました。

では、本当に手ごわいのか。調べてみました。


藤井七冠と過去7回対戦して4勝3敗。プロ棋士の中で藤井さんと、これだけ伯仲している人はなかなかいません。

そして、今年度の成績は藤井さんが勝率8割なんですが、佐々木さんはそれを超える8割2分。佐々木七段もタイトル絡みの対局が多い中、つまり対戦相手がかなり強い人と対局しての8割2分なので、かなり価値のある勝率だといえます。


杉本八段にもう一つ聞きました。

「タイトル戦での印象はどうですか?」と聞いたら「時間配分を見るとまだタイトル戦に慣れてない感じですね」というお話をしていたんですね。

タイトル戦の持ち時間は長い。前半戦で結構長考してしまい、最後に時間がなくなってしまうケースがあったと。「まだ慣れていないところあるんじゃないですかね」というお話をしていました。


棋聖戦と王位戦の持ち時間を見てみると、棋聖戦は4時間。王位戦は倍の8時間です。日数で言うと棋聖戦は1日で決着がつきますが王位戦は2日かかるので、1日目の最後に次に指す手を紙に書いておく「封じ手」があるわけですね。

まだタイトル戦に慣れてないかもしれないが、タイトル戦に慣れてきた時に、佐々木七段の本当の実力というのが出てきて、実力伯仲の戦いが行われるのではないでしょうか。