山形の伝統工芸の技をつないでいこうと、今週、置賜地方の工房でインターンシップが行われています。

情熱を持ち山形を訪れた、3人の学生に密着しました。

県では、織物など伝統工芸の後継者確保につなげようと、3年前から、全国の芸術・工芸系の大学に通う学生を対象にインターンシップを行っています。

こちらは、米沢市の野々花染工房。

風合い豊かな草木染めを手掛けています。

5日、工房に2人の大学生が訪れました。

神奈川県から・小池千捺さん「後継者の問題はそうだけど、私がどうにかしたいと強く思った」

神奈川県出身の小池千捺さんと、宮城県出身の西條葵さんです。

実は、3月にも工房でインターンシップを行った2人。

代表の諏訪さんも、大きな期待を寄せています。

野々花染工房・諏訪 豪一さん「伝統工芸は古くかたまるものではなくて、若い人の発想が、今まで残ってきた伝統工芸と融合して、次の世代と時代に結びつく」

今回、2人が挑戦したのは…。

こちらは「整経(せいけい)」と呼ばれる作業。

織物を織る際に最も重要な作業の一つで、経糸(たていと)の長さなどをそろえるものです。
前回から、もう一歩踏み込んだ作業に…。

職人の技術や苦労を体感できたようです。

宮城県から・西條葵さん「前回やったことよりも難しいことをやらせてもらって、こういうところに手間がかかってて、そこに価値があるんだなと実感しました」

そして、新たな経験から学びや決意も生まれました。

神奈川県から・小池千捺さん「自分が実際に働くとしたらここだなと実感した。
 売りも行けるし、人とのコミュニケーションも含めこういうのも作れる、仕事を全部一貫してできる人を目指してやりたい」

2度目のインターンシップで、より働く意識が高まったように見える小池さんと西條さん。

同年代の先輩も、2人をサポートしたいと話します。

工房で働き3年目・加藤清音さん「お話を聞いてあげたいと思う。解決する方法とかを自分で見つけられると思うし、安心感を持たせてあげたい」

若い世代がつないでいく、技。
山形の伝統工芸に新しい風が吹くのはもうすぐかもしれません。