送迎バスへの子どもの置き去りを防ぐための安全装置。

去年、置き去りによる死亡事故があったことから取り付けが義務化され、国は、暑さが厳しくなる前の先月6月中の設置を求めていました。

こうしたなか、先月末までに設置を終えたとみられる沖縄県内の送迎バスの数は56パーセントにとどまっていることが分かりました。

バスへの子どもの置き去りをめぐっては去年9月、静岡県で死亡事故があったほか、糸満市でもバスの座席で眠っていた小学生が車内に取り残される問題が起きています。

こうした事故を受け国はことし4月から全国の幼稚園、保育園、認定こども園の送迎バスを対象に、こどもの置き去りを防止する安全装置の設置を義務付け、暑さが厳しくなる前の6月中の設置を求めていました。

愛久澤記者「エンジンを止めるとアナウンスが流れます。座席に人がいないか確認して後方に進み、こちらのボタンを押すとアナウンスが入ります」

しかし、こども家庭庁によりますと全国で6月末までに安全装置の設置を終える予定の送迎バスは2万7566台、全体の55.1パーセント、県内でも56.3パーセントにとどまっていて、設置が十分に進んでいません。

園のすべての送迎バスで安全装置の設置を完了した浦添市の認定こども園「みのり幼稚園」は、設置したことで子どもの安全に対する職員の意識を高めることにもつながったと実感しています。

みのり幼稚園・宮国和之園長「(安全装置を設置してから)子どもたちをバスから降ろす時、乗せる時、そういう時に子ども達の人数を数えながら(送迎している)」「バスの運転手も先生も、考え方、見方が変わった。子どもたちが安心して園で学ぶことを考えると、やはり必要だと思います」

安全装置の設置義務は来年3月末が期限ですが、置き去りによる熱中症の事故防止を目的に設置することから、県は早めの設置を呼びかけています。

【記者MEMO】県の担当部署によると4月の義務化から3か月で半分以上のバスに設置されていて、設置は順調とみることもできるそうですが、すでに熱中症のリスクが高い真夏に入っているので事故防止のため早く設置することが求められています。