様々なものの値上がりが学校給食にも影響を与えています。
給食の現場では、食材などの値上がりに直面しても、これまであらゆる工夫で乗り切ってきました。しかし、島根県松江市ではついにそれも限界となりました。

児童
「いただきます」

松江市の津田小学校。
お待ちかねの給食の時間、この日のメニューは一番人気のカレーに、デザートにはメロン。子どもたちは大満足です。

児童
「おいしかった」
児童
「楽しみ。めっちゃおいしい」

市内の幼稚園や小中学校の給食を作っている松江市南学校給食センターを訪ねてみると。

記者 入江直樹
「子どもたちが楽しみにしている給食。あちら直径2メートル位の鍋で手際良く作られて行きます」

松江市の給食は、1食当たり小学校が272円、中学校で313円で、物価の優等生と言えるかもしれません。しかし…。

松江市 上定昭仁市長
「一定の質を保ちながら、児童生徒の皆さんに安定的に供給提供できるという形にはなっていないものと懸念されております。そこで、今回値上げをさせていただくということになります」

6月、松江市の上定昭仁市長は、市立幼稚園や小中学校で、給食費を1食当たり38円~41円値上げすると発表しました。値上げは実に9年ぶりです。

激変緩和で、今年度中は市が値上げ分を段階的に助成。来年度から、子ども1人当たり年間7500円から8000円ほどの負担増加が見込まれます。

松江市教委学校給食課 太田武志課長
「例えば鶏のもも肉をむね肉に換えるとか、あとはパンの日に普通でしたらジャムとかをつけるんですけども、つけない代わりにハンバーグとかを使ってハンバーガーにするとか。そういった工夫もしてます」

給食の現場では、材料費が上がっても、牛肉を豚肉に代える、デザートの日数を減らすなど様々な工夫で乗り切ってきました。

そもそも学校給食は食育の一環でもあり、安いからといって輸入食材などに置き換えれば済むものではありません。

松江市では、コメは全て松江市管内産。牛乳は島根県内産などに限定し、この日調理されていた野菜でも、キャベツやタマネギが契約農家などの市内産でした。

今回の値上げ、保護者としては当然厳しいはずですが、こうした意見もありました。

小学生2人の保護者
「仕方がないかなと思ってます。自分の家でもなるべく地産地消を心がけているので、そういう点ですごく松江市さん頑張っておられると」

食材費に光熱費、輸送費も上がる中、給食をほおばる子どもたちが変わらず笑顔でいることを願わずにはいられません。