名古屋港のコンテナターミナルでシステム障害が発生し、コンテナの搬入と搬出ができなくなっています。警察はサイバー攻撃の可能性もあるとみて調べています。
(下和田歩記者)
「午前9時過ぎの飛島ふ頭です。トラックの列が奥までずらっと続いています」

名古屋港運協会などによりますと、4日午前6時半頃、名古屋港の5つのターミナルでコンテナの搬出と搬入をデジタル管理する「名古屋港統一ターミナルシステム」に障害が発生しました。
大部分でトレーラーによるコンテナの出し入れが出来なくなり、ターミナルがある飛島ふ頭では、システムの復旧を待つトレーラーが長い列を作っていました。

(トレーラーの運転手)
「私は8時から(待っている)。
(Q1時間半くらい?)そうですね。厳しいですね。明日からこのしわ寄せが(くるのが)きついです」
「いつもとは違ので(待つのも)長いなと。普通の作業に戻りたいですね」

名古屋港管理組合によりますと、名古屋港は2002年から去年まで21年連続で貨物取扱量が全国一で、主に自動車部品や産業機械などを輸出。輸入は衣服などが中心だということです。
警察によるその後の捜査で、システム障害の原因は身代金要求型ウイルス=「ランサムウェア」によるサイバー攻撃の可能性があるということがわかりました。宛先なしの脅迫文が届いていたということです。

「ランサムウェア」とは身代金を意味する「ランサム」と「ソフトウェア」を組み合わせた造語で、データを不正に暗号化して復元と引き換えに身代金を要求する悪意のあるソフトウェアです。
いったい誰の仕業なのか?
名古屋港をめぐっては、去年9月に親ロシア派のハッカー集団が「サイバー攻撃した」と犯行声明を出していて、その影響だったのか、管理組合のサイトでアクセス障害がありました。
では、今回のシステム障害による影響は。
(名古屋港管理組合港営課 久野尊仁課長)
「今すぐ生活に影響があるということは考えにくいが、長期化すると産業活動や県民市民の皆様に影響が出てくることが考えられるので、管理組合としても(復旧に)取り組んでいきたい」

結局、5日のターミナルへのトレーラーによるコンテナ搬出入作業も、前日に引き続き中止されました。

名古屋港運協会などは5日午後6時のシステム復旧を目指していて、6日の午前8時半から通常通りにコンテナの搬出入ができるようにしたいとしています。