フランスの暴動。日本でもおなじみの観光地周辺も暴動の舞台となっています。暴動のきっかけは?スタジオで詳しく見ていきます。
暴動のきっかけは17歳少年を警察官が射殺

上村彩子キャスター:
日本でもおなじみの観光地周辺にも影響が出ています。
パリの「シャンゼリゼ通り」では、若者と警察官が衝突し警察官を配備するなど、“厳戒態勢”がとられています。
そして、ディズニーランドパリでは記念のイベントが中止し、1日・2日は閉園時間も早まりました。交通にも影響が出ており、バスや路面電車は午後9時以降の運行停止が続いています。

では、なぜこのような暴動が起きてしまったのでしょうか?
今回の暴動のきっかけは6月27日、パリ郊外・ナンテールで北アフリカ系の少年(17)が交通違反の取り締まり中に車を発進し、警察官が少年を射殺するという事件でした。これがきっかけで、警察への大規模な抗議活動がフランス全土に拡大し、反発した一部が暴徒化して略奪をしたり、車を燃やしたりしているということです。
暴動拡大の背景には人種差別問題 警察対応に怒りも

このような暴動拡大の背景には、フランスが抱える社会問題も見えてきました。
フランスは以前から、移民らに対する人種差別や経済格差が社会問題になっており、警察による日常的な“人種差別的”な対応に不満が溜まっていたということです。
さらには2017年、警察官の銃使用の基準が緩和されました。これにより、運転手が命令に従わず、第三者に命の危険が及ぶ場合は発砲が可能となっていました。これが影響したのかは不明ですが、2020年以降は交通取り締まり中の射殺が21人もあり、犠牲者のほとんどは黒人や北アフリカ系だったということです。