震災で職を失った神野さんは…
およそ13年、順調にキャリアを積んでいましたが2011年、震災の津波によって勤め先が被災しさらに、自宅も流されました。幸い、妻と3人の子どもたちは全員無事でした。

しかし…。
神野さん:
「この地域が復活しないんだろうなという風にしか思えなくて、この子たちをどうやって食べさせていくんだろうとか。途方に暮れるじゃないですけど」
職を失った神野さんは1年間、次の道を模索し自分の店を開くことを決意。背中を押したのは妻・由希子さんの言葉でした。
神野さん:
「ここまで失って何かあったとしても、自分たちこんなに元気になれてきたんだから、笑顔が増えてきたんだから大丈夫だよと言ってくれたのが妻の存在、その言葉」
妻・由希子さん:
「(料理とは違う)別な会社で勤めている主人を想像できなかったんですよね。何もなくなった、ただ命はある、じゃあ何か好きなことをやらせてあげたいと」

2012年4月、夫婦二人で「楓楸栞」をオープン。3人の子どもたちの名前を店名にしました。

「甘い唐揚げ」が徐々に口コミやSNSで広まり、唐揚げの店として知られるように。さらに、こんな嬉しいことも。
大学生:
「冷やしだと噛めば噛むほど甘味が後から伝わってくるんです」
新メニュー「冷やし唐揚げ」の魅力を熱く語ってくれたこちらの大学生。小さい頃から楓楸栞の唐揚げが大好物で店でアルバイトもしています。
大学生と神野さん:「パパみたいな感じ」「小学生ぐらいから店に来てるんで、俺パパなの?ありがとう」

店の入口に気になるものがありました。














