大雨に襲われた長野県小川村で1日、土尻川(どじりがわ)の近くの住宅6戸が浸水した災害で、川があふれた原因は、長野県が行っていた護岸工事と見られることが、SBCの取材でわかりました。

住宅6戸が床上・床下浸水した小川村・鴨之尾(かものお)地区。

被災から2日が経った3日も、住民が片付けに追われていました。

(業者は・・・)
「水を出して乾かして床張って・・・お金も時間もかかるよね」

この地区に住む女性は、1日の午後、近くの土尻川からあふれた水が腰の高さまで達する中を避難したということです。

(浸水被害にあった女性)
「(水が)このくらいまであった。避難するときはそのへんに材木やらなにやら流れて来ていた」

夏野菜の収穫を楽しみにしていた畑も一面、20センチ以上の泥で覆われてしまいました。

(畑が被害に遭った男性)
「おれ(のうち)だって、その辺につくっていたものはだめだ」

この災害で県の長野建設事務所はSBCの取材に対し「近くで行っていた護岸工事が原因と考えている」と認めました。

浸水被害を受けた鴨之尾地区は土尻川の近く。

青の矢印が普段の川の流れです。

しかし1日は、普段とは逆方向の濁流が集落を襲ったといいます。

なぜこのようなことが起きたのでしょうか。

水があふれた場所の近くで行われていたのは、県が発注した工事。

県によりますと、工事は2022年8月の豪雨災害で傷んだ護岸を50メートルにわたって補強するもので、重機の行き来などのため川を横断するように盛り土をし、下にパイプを通して水を流していました。

しかし、1日は大雨で押し寄せた水を流しきれず、せき止める形に。

工事現場の上流側では午後4時15分からの5分間に水位が58センチ上昇しその直後に水があふれ始めたということです。

けが人こそなかったものの暮らしの場と日常が奪われた浸水被害。

県は「地域の生活再建に協力する」としています。

雨の多い出水期に、今回の工事方法は適切だったのか?

県は当時の状況や対応の検証をし再発防止に務めるとしています。