「単純に楽しくなってもらえたら嬉しい」
江藤アナ
タイトル「生命体」にもやっぱりこだわりがあるんですか?
星野さん
そうですね。
江藤アナ
「生命体」って聞いたときに、物凄く生きる、走る、動くっていう躍動感を感じられますよね。
星野さん
スポーツの番組のテーマソングなんですけど、見れば見るほど、勉強すれば勉強するほど色んな部分に共通の部分があるなと思って、すごく普遍的な曲を作れるんじゃないかなと思ったんですよね。
それこそスポーツをやる人とかだけではなく、それも含めた全生命体みたいなもの、生きている人たち、生きているモノたちみたいな楽曲になるんじゃないかなと思って。
そういう人たちを称賛するっていうか、結構色んな悲しいことが起きる世の中でどんな状態でもいいから、色んな状態の、生きている人。生きているだけで「よっ!えらい!」みたいな、なんかそういうふうに言ってもらえてる感じがする曲というか、そういう感じにしたいなと思ったんですよ。
江藤アナ
歌詞の「あなたは確かにここにいる」というのは見てる人もそうってことですよね。
星野さん
そうですね。あと僕が陸上だったり色んなスポーツを見ていて「選手の皆さん、アスリートの皆さんが一番いい状態ってなんだろう」って思ったときに、きっと「最高の自分でいられる瞬間なんじゃないかな」と思って。それってなんだろうと思ったときに人と比べたりとか、それこそ並んでザーッと走ってるときに周りがまったく感じられなくて、お客さんもワーッといるんだけど完全に一人きりになっている状態というか、その、何も気にしてない状態って言うんですかね。
なんかそういう精神が研ぎ澄まされた瞬間みたいなのってきっとどのスポーツにも、どの瞬間にもあるんじゃないかなと思って。そういう時って、自分はそりゃスポーツではないですけど、ドームツアーをやったときに、東京ドームでライブをして最後の曲で「Hello Song」っていう曲で、その一番最後にステージから花道を通って中央ステージに走っていって最後のサビを歌った瞬間があったんですね。
その時になんというか、自分というものがいて、自分と自分の外側と、あと、ファンの皆さん、お客さんというものが、肌が、なんかこう、自分と外側の境界線がうわーっ!となくなって全部アメーバ状にみたいになって、全部同じになるというか、なんかそういう感覚になったんですよね。
だから僕あの歌った時、覚えてないんですよね。その映像では残っているんですけど。例えば歌を歌う時って「お客さん楽しんでいるかな」とかいろんなこと考えるんですけど、もう無の状態で歌っているんですよ。
あとで映像見たら超楽しそうなんですけど、きっと最高のパフォーマンスができるときってそういう状態なんじゃないかなって。
エゴっていうものが一切なくなって、なんか自分と他者とか、自分と環境とかっていうものの境目がなくなるっていう、なんかきっとそういう状態が一番最高なんじゃないかっていう。
そういう共通の部分っていう部分を歌で描いたら、今までにないスポーツの楽曲になると思うし、普遍的な楽曲になるんじゃないかなって思いました。
江藤アナ
確かにそれはスポーツだけにとらわれず、みんなの中にあるんだよっていうことですよね。集中力とかそういうこと。
星野さん
そうですね。
江藤アナ
この曲は世界陸上とかアジア大会とかのオンエアで皆さんは何回も聞いて耳に残ると思うんですけど、皆さんにどんなふうに受け止めてほしいですか?
星野さん
そうですね、なんか単純に楽しくなってもらえたら嬉しいなっていう気持ちですね。あとは、世界陸上とアジア大会っていう2つの、ものすごく、めちゃくちゃ面白そうな2つの大会、それをこの曲と一緒に楽しんでほしいなっていうのはすごくあります。
江藤アナ
ありがとうございます。ほんとに「生きて謳う」っていう、あのところを噛みしめて聴きたいなっていうふうに感じます。本当に本当にすてきな曲だと思っています。

















