今年8月19日に開幕を迎える「世界陸上ブダペスト」と、9月23日から始まるアジア最大のスポーツの祭典「アジア大会 中国・杭州」。このTBS系2大スポーツ中継のテーマ曲が星野源さんの書き下ろし楽曲「生命体」になることが決定した。
星野さんは⾳楽家・俳優・⽂筆家と幅広く活動。⾃⾝も出演したTBSドラマ『逃げるは恥だが役に⽴つ』の主題歌「恋」の社会現象とも呼べる⼤ヒットを始め、⾳楽家として数々のヒット曲を送り出している。
今回満を持して書き下ろした新曲について、世界陸上・アジア大会の総合司会を務める江藤愛アナウンサーがインタビュー。タイトルや歌詞に込められた想いを聞いた。さらに、星野さんがライブ中に見つけたというスポーツと音楽の共通点とは。
<『生命体』サビの歌詞>
風に肌が混ざり溶けてく
境目は消える
風に旗が踊り揺れてる
“1”を超えた先
あなたは確かに
ここにいる
生きて謳う
江藤アナ
今日は貴重な時間をありがとうございます。
星野さん
こちらこそ。
江藤アナ
音楽番組以外でこうやって会うと、なんか新鮮な気持ちに。
(※江藤アナと星野さんは「CDTV ライブ!ライブ!」などで共演)
星野さん
そうですね。すごい新鮮ですね。
江藤アナ
星野さん、今回世界陸上とアジア大会のテーマソングを担当されるということで、私はそれを聞いた時に「やった、嬉しい」って思ったんですね。どんな曲だろうってワクワクしたのですが、星野さんはこのテーマソングのオファーを受けて、どう思いましたか?
星野さん
めちゃくちゃ嬉しかったんです。僕、あの、シェリー=アン・フレーザー=プライスがすごい好きで、TBSの陸上チャンネル、Youtubeをよく見てたんですよ。例えば楽曲制作するときとか、お芝居でセリフを覚える時とか、家でじっとして動かないことが多いんで、とにかく動いてる人を見たいっていうか、「自由に羽ばたいているように見える人を見たい」みたいな気持ちがあって。その中でいろいろ見てる時に、フレーザー=プライスがめちゃくちゃかっこいいなって思って、ずっと追いかけてるんですね。
陸上の走ってるシーンもそうなんですけど、ファッションも超かっこいいし、いろんな所で勇気づけられるって言いますか、日常的に見て、元気をもらったり、自分も頑張ろうって思いをもらっていました。そういう場所で自分の音楽ってのが鳴るって思うと、とてもうれしかったですね。
(※シェリー=アン・フレーザー=プライスはジャマイカの短距離選手。レースごとに色鮮やかなウィッグを付け替えたりとビジュアル面もさることながら、五輪、世界陸上合わせて13個の金メダルを獲得。36歳の現在も世界トップクラスに君臨している)
江藤アナ
それを聞いて私たちも嬉しくなりました。
星野さん
本当ですか?
江藤アナ
星野さんの身近に世界陸上があったわけですもんね。
星野さん
そうですね。
江藤アナ
フレーザー=プライスの髪色とか気になりますか?
星野さん
超かっこいい、そうですね。今度どうなるんだろうって。全部諦めてないところっていうか、すごい素人的に考えると、「あんなにウィッグをたくさんつけたら、空気抵抗で遅くなっちゃうんじゃないかな」とか。でもぶっちぎりで速いじゃないですか。だからそういうところも含めて、自由な感じがすごくして。ああいう場所で自由に見える、自由にいられる、自由なように周りが見えるってことは、めちゃくちゃ戦ってる証拠だと思うので、そういう所も含めて、とても楽しみですね。
江藤アナ
いや、うれしいですね。私、今回の曲を聞いて「わっ、凄い」って思ったんですね。スポーツだからといって、ものすごく前向きとか、強いとか爽やかということではなく、なんだかものすごく心地よかったんです。
星野さん
そうですか。
江藤アナ
1回目聞いた時に「え、なになに?もう1回聞きたい」って思って。2回目聞いたら、すごく走ってる姿が見えたんですよ映像として。それこそゴールをしているような。3回目に聞いた時に、歓声が聞こえたんです。星野さんのコーラスで「あーあ」っていう、あのところが歓声に聞こえて。4回目に聞いた時には、もう既に口ずさめる。
星野さん
うれしいです。
江藤アナ
すごく、そう感じたんですが、ご自身で出来上がったのを聞いていかがでしたか?
星野さん
とにかく、もちろんスポーツをやられている人も、アジア大会、世界陸上に出場される皆さんも、見ている人も含めて鼓舞されるような、元気になるような、そういう楽曲にしたいなと思ったんですよ。
今、生きていくことが、すごく難しくなっているんじゃないかなと思って。いい加減に生きていられないというか、なにかしらツッコミみたいなのが色んなところで入っちゃうし、ふわーっと生きていられないっていうか。自分も含めなんですけど、鼓舞されたい、自分も鼓舞されたいみたいなのがあって、だから色んな、視聴者の人も、それこそ出場される人も、元気をもらえるような楽曲っていうんですかね、そういうのを作りたいなと思って、作りました。