28日に富山県立山町と上市町を中心に甚大な被害をもたらした記録的な大雨。なぜ、短時間にあれほどの雨が降ったのでしょうか?

富山県立山町と上市町を襲った今回の記録的な大雨。28日午後2時ごろから県東部を中心に発達した雨雲がかかりました。上市町では午後4時までの1時間に101ミリを超える猛烈な雨が降りました。

また、立山町の芦峅では午後3時41分までの1時間降水量が6月の観測史上最大となりました。

午後4時ごろ、立山町に向かうと…。

「今、上の方なんですけど冠水一部ありまして」「冠水どこですか?」
「道路水浸しになっていまして…」

記者:「立山町の県道です。今土砂の撤去作業が行われています」

県道富山立山公園線では山から道路に土砂が流れ込み、通行止めとなったほか、土砂崩れや雨量規制で少なくとも7か所で通行止めとなりました。

記者:「消防車が止まっています。何かあったんでしょうか」

これは猛烈な雨が降ってから1時間ほど経過した午後5時ごろ立山町の白岩橋から撮影した白岩川の映像です。土手からあふれた水が轟音とともに田んぼに流れ込んでいます。

周囲の田んぼはまだ青々としていました。それが、1時間で風景が豹変。

記者:「街中が水びだしです」「こちら山手の方から水が流れてきていますけども民家、そしてこちらの田んぼまで水びだしになっています」

用水があふれ、道路や畑が冠水。住宅の前まで水が押し寄せていました。

住民:「すごい雨風ですごかったんですよ。もうここ川。道路にあふれ出て道路にあふれ出てすごかったんですよ。ここまで来てるから玄関に入るかなと思って心配してるんです」

記者:「上市町の白岩川です。ご覧のように激しい濁流が流れています。そして両岸も崩れてしまっています」

濁流の影響で土手が深く削り取られ決壊寸前となっていました。今回立山町と上市町で短時間に記録的な雨が降った理由について気象予報士の井上さんは…。

気象予報士 井上陽子さん:「まず暖かく湿った空気が流れ込みます。今回、この西風に乗って流れ込んできたんですけどその風が立山にぶつかって上昇することで雨雲ができました。これだけだったゲリラ豪雨で一回で終わるんですけどさらに今回は上空に強い寒気が入っていたとうことでより大きな積乱雲が発達して今回のような雷雨になりました」

昨夜は立山町、上市町と富山市の一部の地域のあわせて19地区に避難指示が出され793世帯1932人が不安な一夜を過ごしました。

避難者2人:「水が来たからおんぶしてもらってすぐ出た。不安です」

今回のように短時間で雨が降った場合、どう対応すればいいのでしょうか。

気象予報士 井上陽子さん:「まずはテレビやラジオで情報を得て、避難が必要な場合は…」