「罪と向き合ってほしい」遺族の癒えぬ悲しみ

その凶弾に倒れたのが中村信一さん(当時68)でした。

今月20日、事件から5年を前に中村さんは報道陣の前で心境を語りました。
夫を亡くした中村さん:「5年だからどうとか。5年経ったからこの後こうなるとかっていうのはないんですけど。やっぱりこの事件の日が近づいてくると…」「すみません」

癒えることのない悲しみ。
島津被告は起訴後の精神鑑定で、ASD・自閉症スペクトラムと診断されました。裁判では、ASDの影響と強盗殺人罪の成否が争点となりました。

富山地裁は強盗殺人罪は成立せず殺人罪と窃盗罪に留まるとしたうえでASDの影響については、酌むべき事情があるとし島津被告に無期懲役の判決を言い渡しました。島津被告は公判中、法廷で口を開くことはありませんでした。


しかし、控訴審で名古屋高裁金沢支部は事実誤認があるとして、一審判決を破棄。審理を富山地裁に差し戻しました。

この高裁判決に島津被告側は「判例違反がある」として最高裁判所に上告。1年2か月が経過した今も審理が続いています。

夫を亡くした中村さん:
「一切本人が何も語らないものですからじゃあ無期懲役の何が不服だったのかというところも分からないですし。早く罪と向き合える状態になってくれればいいなと。これだけ時間があるんだからなってくれないかなっていう風には思ってますね」
