福島第一原発の処理水を海に放出するための設備工事が完了しました。放出に向けた動きが大詰めを迎える中、東京電力は26日、設備を公開し、安全性を強調しました。

浦部智弘アナウンサー「こちらの直径およそ2メートルの海水配管ヘッダという設備は処理水とこちらの配管からくみ上げられた海水の合流地点になっていてこの設備で処理水を100倍以上に希釈します」

水色の配管と、大人の身長よりも大きな設備。ここで処理水は、ポンプでくみ上げられた海水で薄められ、海底トンネルを通って、沖合1キロの地点で、放出されます。

また、設備に異常がある際、緊急に放出を止める遮断弁も公開されました。遮断弁は2か所に設置され、東電によりますと、海側のものは、2秒で閉じることができるといいます。

このほか、実際に処理水を放出する手順も公開されました。こうした中、26日は、海側でも動きがありました。

原発から、沖合1キロの地点。クレーン船が作業をしています。東電は午前、海底トンネルを掘った掘削機を引き上げました。午後4時前には出口部分に蓋の設置も完了し、これで、放出設備の工事は、すべて終わりました。

処理水について政府と東電は、今年夏ごろにも、海に放出する計画ですが、「関係者の理解なしにいかなる放出もしない」という漁業者との約束については、いまだに判断を示していません。