実際にどれだけ違うのか?前日に神経締めしたタイと渦巻処理を行ったタイをディレクターが比較したところ…


神経締めの魚を見ると「こっちはもう完全に死後硬直始まってます」一方、渦巻き処理したタイはまだ柔らかい様子。
さらにさばいてみると「神経締めのタイは身が割れていく状態です。ちょっと強く押すと、もうぬかるむというか、指が入っちゃう。一方で、渦巻処理の方はまだまだ指が跳ね返ってきます」


その差は食感でも。神経締めを施したタイはしっとり、渦巻き処理したタイは…
「想像してた以上に違いがあって、明らかに(渦巻き処理のほうが)プリプリしてる。1日経ったとか思えないぐらい」
まるでさっきまで泳いでいたかのような新鮮さ。
桂さんの開発した「渦巻処理」は全国の同業者にも広がっています。
市場の業者も驚き!ニューヨークとワシントンへ新鮮なまま集荷
千葉県の市場では、渦巻き処理を施した魚に驚きの結果が…
千葉県の魚卸売業者「渦巻き処理をマグロにしたことによって、セリでの値段が約4倍。4倍ってちょっと尋常じゃないんですよ」
さらに流通の幅も広がります。
桂さん「今日の魚は、ニューヨークとワシントンへ出荷予定だけど、やっぱりアジなんて、劣化が早いんですよね。でも、渦巻処理だと送って4~5日経っても身の質がまだ保ててるっていうような評価をいただいて」

渦巻処理は冷凍することでさらに賞味期間が延びるため、現在、市場の業者とともに冷凍加工品の工場も準備中です。
桂さん「旬のいいときにいいものをちゃんと処理して冷凍すると、それが旬でなくなってしまった時期にもいいものが使える。そうすることで大量に採れたときに、市場の値段が下がるっていうのを防ぐことができるんですね」

もとより研究気質だという桂さんは「本当は研究をして魚を突き詰めたい」といいます。より良い処理方法がないか、今も日々研究しています。
桂さん「これが今、正解ってわけでもないとは思ってるんですよね。もっといいものがあるかもしれないし。獲れた魚が供給過多とかで安くならないように、何とか加工も活かしながら、生鮮の流通も活かしながら価格を維持しないといけないんじゃないかなと」
水産業界の未来を見据えつつ、桂さんの挑戦はまだまだ続きます。















