G7 ゼレンスキー大統領の電撃来日「最終的には総理が決断」

ーー今年前半のハイライトはやはり広島サミット。ゼレンスキーさんが来たということが一番トピックになってしまったような気がするんですけど。木原さんはウクライナにもいらして、今回お出迎えもなさったし、どういう経緯で急遽来ることになったのですか?
木原誠二官房副長官:
もともとですね、3月にインドからポーランド経由でキーウまで行きました。あのときに総理とゼレンスキーさんの首脳会談の中で、総理から「G7へ参加を」と伝えました。ただしその時点では、戦況がありますから「オンラインでの参加を」と。
ーー遠い日本までこられるとは思いませんでした。
木原誠二官房副長官:
我々もそう思っていたということでありますが、G7の直前になって、ゼレンスキーさんの方から対面で出たいとこういうお話がありました。これも輸送の問題、警備の問題、そしてまた準備してきた会議のたてつけ、いろんなことに影響しますから、最終的には総理が受け入れようということをご決断をされたということです。
ーーそういう意味では、ゼレンスキーさんが実際に来て、G7首脳はもとより、グローバルサウスの首脳にもお会いできて。インドのモディ首相にも、実際にお会いになって親しくなられて、これはすごく大きいことですよね。
木原誠二官房副長官:
大きいことだったと思います。我々はグローバルサウスというのに今回焦点を当てていましたと。インド、ブラジル、インドネシア、ベトナム、こういった国々が参加をしてくださったわけですけれども、その国々と「平和と安定」というセッションをやりましたが、そこにゼレンスキーさんが一緒に来られて、モディさんの隣に座ったわけですね。
ーーそうでしたね。それはわざと?
木原誠二官房副長官:
そこの様子は私自身も中に入れないのでわかってないんですが、しかし外からモニターで見ていてですね、ずいぶん親しくお話をされてますし、その後もバイの2国間会談も精力的にやられましたから、そういう意味では、いい会議になったのではないかなと思います。このグローバルサウスという国々との会議で、国連憲章に記載している主権領土一体性これは非常に重要だとか、現状を力で変更しちゃ駄目なんだとか、平和的な対応を重視して物事は解決すべきだと、こういったことを、総理が議長でしたから、総括をして、グローバルサウスの国も含めて、ゼレンスキーさんがいる場で、みんなで合意ができたということですから、意義は大きかったかなと思います。
核廃絶「理想」と「現実」はしっかり分けて
ーーただ核廃絶の問題ですよね。被爆者の方たちは「核廃絶を言わなかったじゃないか」と。総理も「夢想と理想は違う」と言っていて、これはどういうことだったのですか?
木原誠二官房副長官:
G7の中には核保有国もいます。厳然として。そして核を持たない国、日本のような国もいるわけであります。核を持つ国、持たない国がいる中で、私はやはり核軍縮・核廃絶に向けた機運って、ちょっと下がってきていたというふうに思いますが、今回広島で首脳が独立した宣言を出すことで、もう一度核軍縮に向けた機運が盛り上がったと思います。とりわけ平和記念公園、そして資料館に行っていただきましたから、まず核の実相に触れていただくと。
ーー首脳がずらっと並んでずっと献花をなさった。ゼレンスキーさんもそうでした。
木原誠二官房副長官:
これは非常に良かったと思います。総理の言葉を正確に使えば、「理想」と「現実」これはしっかり分けて、やっぱり理想はもちろん核のない世界。しかし現実に今核を持ってる国、また核で威嚇をする国、核開発をしようとしている国があるわけですから。できる限りこの理想に現実を近づけていく努力をみんなでやりましょうと。そういうことで今回、きちっとした声明をまとめられたと思っています。
ーー「外交の岸田」の面目躍如だと
木原誠二官房副長官:
思いますね。はい。














