配電設備の点検の効率化を図ろうと、東北電力の子会社が参加者に電柱の画像を募集するイベントの実証実験を23日、始めました。その名も「電柱聖戦」です。

 このイベントは東北電力の子会社、東北電力ネットワークが行うもので、23日は報道機関向けに説明会が開かれました。
 東北電力ネットワークは、ツタや植物のつる、カラスの巣などが原因で漏電が発生し停電する可能性があるため、東北6県と新潟県の管内370万基ある電柱に異常がないか、作業員が日々巡回し点検しています。
 しかしおよそ1400人いる作業員は、人手不足の影響で2030年度には15パーセント以上減少する見込みで、巡回点検作業の効率化が課題となっています。
 その解決に向けてこの会社はシンガポールに本社を置くIT会社と協力し、「電柱聖戦」と名付けたイベントを企画して今年度実証実験を始めました。参加者に電柱の写真を送信してもらうことで作業員が現地に赴かなくても簡易的な点検を可能とするものです。
 東北6県と新潟で、来年2月にかけて12回に分けて実施し、盛岡市を対象としたイベントは、23日午前7時に始まりました。方法は参加者が専用のアプリを使い、電柱全体や電柱番号など1本の電柱につき指定された4つの構図で画像を撮影します。この画像を投稿するとポイントが獲得でき、期間内に多くのポイントを獲得した人にはギフト券が送られる仕組みです。盛岡市内は中心部の電柱2000基が対象で、ほかの人がすでに画像を投稿した電柱は、画像の送信ができない早い者勝ちのルールとなっています。期間は27日までです。

(東北電力ネットワーク 配電部 高橋良太 主任)
「投稿した電柱の写真を我々の巡視・点検業務に活用させていただきたいと思いますし、歩いて写真を撮ることで健康増進という形にもなります。懸賞も用意してございますので、ぜひふるってご参加いただきたい」

 このイベントは7月7日からは一関市内でも実施され、東北電力ネットワークは、年内の実証実験を経て来年度からの本格運用につなげる考えです。