みなさんは、ハザードマップを確認したことがありますか?
左側は、福島市のホームページに公開されている洪水ハザードマップです。阿武隈川と摺上川の阿武隈川流域を中心に浸水被害が想定されています。
右側は、国交省東北地方整備局のホームページで公開されているものです。2つのハザードマップを比べて、何か気が付きますか?

2つのハザードマップで浸水想定が異なっています。
右側の東北地方整備局のハザードマップは、摺上川ダムが緊急放流という洪水調節を行った際のハザードマップです。
ダムの緊急放流をめぐっては過去、河川の氾濫を引き起こし、犠牲者も出ています。ダムの緊急放流、そして命を守るもうひとつのハザードマップについて取材しました。
ダムの緊急放流後 大きな被害が出たことも
福島市北西部にある摺上川ダム。総貯水量は、東京ドームおよそ120個分で東北地方では4番目の大きさを誇ります。ダムは、主に福島市などに水道水を供給しています。

私たちの生活を支えるダムですが、大きな被害をもたらしたことも。
2018年の西日本豪雨。台風と梅雨前線の影響で愛媛県では、24時間の降水量が最大500ミリ以上を観測。県内で33人が犠牲になり、このうち一級河川・肱川の氾濫で8人が亡くなりました。

肱川上流の野村ダムと鹿野川ダムでは、豪雨で貯水能力を上回る水が流れ込み、ダムの水を大量に放出する緊急放流を実施。緊急放流のあと、川が氾濫しました。
