日本最初の民間天文台である倉敷市の天文台に、星にまつわる約1千冊の本を所蔵するブックカフェがオープンしました。「人々の憩いの場になれば」という、思いのこもったカフェです。

96年の歴史を持つ倉敷天文台
南隣にブックカフェがオープン


ドーム型の建物が目を引く倉敷市中央の倉敷天文台です。1926年(大正15年)に完成したこの天文台の南隣に先月、ブックカフェ「星の光の澄みわたり」がオープンしました。

照明がまるで満月のよう

木造平屋の建物では、コーヒーや焼き菓子にケーキ、それに約1,000冊の「星にまつわる本」を楽しむことができます。

(倉敷天文台 原浩之 理事長)
「実は2026年、これから4年後の11月21日が『天文台の100周年』になります。この100周年に向けていろいろと動いていく中のひとつとして、このカフェを作ろうと。」

もともとこの建物は、天文台の主事を長年務めた天文家・本田實氏の住居でした。

「天体発見王」本田實さん
カフェの名は本田さんの詩の一節から

カフェの本は、77年の生涯で”新しい彗星12個””新しい星11個”を発見し「天体発見王」とも称された本田氏の蔵書です。またカフェの名前は文才にも長けた本田氏の詩の一節からとりました。


「机の裏にも、本田先生はさりげなく文字をしたためていて、『専門家の方が倉敷に来られてこのテーブルの上に隕石を置きました』ということを、ここに本田先生がしたためている」

誰でも気軽に天文の世界を楽しめるようにと誕生した、日本で初の民間の天文台です。カフェには先人の意志を継ぐという願いも込められています。


(倉敷天文台 原浩之 理事長)
「もう一度倉敷天文台を皆さんに知っていただいて、ちょっとここで見るだけで『あそこにある星はこうだね』なんていうことを思ってくれるだけで結構なんですけど」

星空に、宇宙に思いをはせながら
コーヒーとともに静謐なひと時を

宇宙に思いをはせながら癒しのひと時を…。ブックカフェ「星の光の澄みわたり」は毎週火曜・水曜・木曜の午後1時から5時までのオープンとなっています。