しなの鉄道が株主総会を開き土屋智則(つちやとものり)社長が先ごろ起きた脱線事故をふまえ「安全運行の確保に全力をあげる」と述べました。

上田市で開かれたしなの鉄道の株主総会では、冒頭、土屋社長が6月12日に上田駅の構内で起きた脱線事故について謝罪しました。

■土屋智則社長                                             
「多くの関係者に大変ご心配をおかけし誠に申し訳ありませんでした。安全運行の確保に全力をあげる所存であります」

一方、総会のあとに行われた会見で土屋社長は「会社単独で安全対策を講じる体力がない」と述べ、行政からの支援を求めていく考えを示しました。

■土屋智則社長                                               
「会社単独で今回の件についての再発防止策であるとかこれを踏まえた安全対策をできる体力が今現在しなの鉄道にはございません。皆さんの支援をしっかりいただいて安全安心な運行を確保していきたい」

しなの鉄道の2022年度の本業のもうけを示す営業損益は1億5500万円の赤字で、3期連続の赤字となりました。

要因としてあげられたのは新型コロナによるテレワークの普及や自動車への乗り換えなど生活様式の変化。

それに、燃料費の高騰も大きいということで、収入がコロナ前の水準に戻ることは困難としています。

また、脱線の原因究明については今後、第三者機関にも協力を求めるとしていますが、1か月から2か月ほどかかる見通しだということです。