自然災害の記録や教訓を後世に伝えようと、長野県が全国で初めて取り組んだ「災害伝承カード」。
19日に第4弾として13種類のカードが追加され、合わせて100種類となりました。
いったいどんなカードなのでしょうか。
県が発行している「災害伝承カード」。
県内各地で起きた自然災害の記録や教訓が名刺サイズのカードに収められ、無料で手に入れることができます。

■大塚記者
「県内の各建設事務所で対象の土地や市町村役場の写真を受付に提示すると、このように災害伝承カードを受け取ることができます」
オモテ面には災害遺跡の写真と名称を記載。

ウラ面には災害の基本情報のほか、周辺の観光案内もあり、その土地の風土にも触れることができます。
カードを手に現地を巡りながら防災について学んでほしいと、県が4年前から希望者に配っています。
■県砂防課 山崎和貴(やまざきかずたか)主任
「忘れたころに災害が来るってこともありますので、先人たちの教えを学んでいくというのは大事なことかなと思います」

19日に新たに13種類が発行され、カードは100種類に。
このうち、飯山市にある「畜魂碑(ちくこんひ)」も今回追加されたカードの1つです。
飯山市木島(きじま)地区。
1982年、9月12日から13日にかけての台風18号による洪水で、千曲川の水が支流の樽川(たるかわ)に逆流し堤防が決壊。
畜産業が盛んだった木島地区では牛200頭余りが水死しました。
犠牲になった牛を慰霊しようと、畜産農家たちが建てたのが畜魂碑です。

■池田甚夫さん
「もう精神的なトラウマ。台風とか接近してきて雨が多いとついそういうのが頭をよぎってきます」
当時からこの土地で畜産業を営む池田甚夫(いけだやすお)さん。
41年前の災害を後世に伝えることは、当時を知る者としての責任だと話します。
■池田甚夫さん
「だんだん世代交代してきますので難しいところはあるが、後世にこんなことがあったんだよっていうことを伝えていけたらと思います。今回こういうカードで発行されたというのは一つ進歩だと思います」
■県砂防課 山崎和貴主任
「災害伝承という思いを知っていただくことが、防災減災につながると思っていますので、ぜひ多くの皆様に災害伝承カードを手に取っていただきたいと思います」
災害の記憶を形に残す災害伝承カード。

対象の写真を建設事務所へ郵送する方法でも手に入れることができます。
県ではカードが多くの人の手に渡るようアピールしていきたいとしています。














