新潟県内で初めてとなる「スッポン」の養殖場が南魚沼市に誕生しました。
「温泉につかって酒の味を楽しみながら育つ」という、なんとも贅沢なスッポンです。

南魚沼市に新しく完成した養殖池にいる“スッポン”。
緑の甲羅に長い首が特徴で、とっても臆病。
たま~にしか顔を見せてくれないそうです。

20日には500グラムほどのスッポン、なんと1000匹が放たれました。

「うわ~、来た来た来た来た!重たいね!」

南魚沼市の林茂男市長


南魚沼市の林茂男市長も、おそるおそるスッポンを池に送り出していました。

2021年に設立された株式会社『魚沼スッポン』では、1年間の飼育実験をへて、今年、本格的な養殖に乗り出しました。

寒さが苦手なスッポンの養殖は、暖かい西日本で行われることが多く、新潟県内で養殖場ができるのは初めてだそうです。

【魚沼スッポン 代表取締役 井口陸弥さん】
「目指すのは、フグとかウナギとかと同じくらいにスッポンが食べられる世の中。スッポンを“南魚沼の特産品”にすること」

魚沼スッポン 代表取締役 井口陸弥さん


会社の代表を務める地元出身の井口陸弥さん(29歳)が育てたスッポンを口にしたことがあるという林市長も、その味に太鼓判を押します。

【南魚沼市 林茂男市長】
「こんなにうまいものがあるのかと。私の思いとしては、南魚沼に人が集まってくるツールにもなる食材だと思っている」

ここのスッポンは、南魚沼ならではの贅沢な環境で養殖されます。

“温泉”に入る スッポンたち

スッポンが泳いでいるのは「温泉」!
水温が29℃ほどであるため、スッポンの成長が早まるばかりではなく、水を温めるためのボイラー代も節約できます。

そして“エサ”には地元の酒蔵から出る「酒粕」を配合!
そのため、栄養価が高く旨味たっぷりのスッポンに育つそうです。


【魚沼スッポン 代表取締役 井口陸弥さん】
「おいしいものを食べると皆さん幸せになるので、“食”というところで貢献していきたい、地域を元気にしていきたい、と考えています」

“雪国で育つ”ブランドスッポン。
初めての出荷は11月ごろを見込んでいます。

スッポンは白身魚のような味で、温泉水で育ったものは特にうまみが強いのが特徴だそうです。

「魚沼スッポン」では今後、1kgサイズの『よっぱらいすっぽん』や、身の入りがいい『吟醸すっぽん』、さらにさらにスペシャルな『大吟醸すっぽん』を、料亭や居酒屋などに1匹6000~9000円ほどで提供するほか、家庭用として小分けにしたスッポンを2000円ほどで販売できればと考えているということです。