21日に会期末を迎える国会。岸田総理は会期中の解散見送りを表明しましたが、次の総選挙に向けて、県内でも動きが始まっています。
共産党は20日、既に表明している4区に加え、3区と5区で候補者の擁立を公表。
国政選挙で成功例を重ねてきた県内の野党共闘の行方は?

共産党県委員会は20日、会見を開き、長野3区と5区で候補者を擁立すると発表しました。

■長野3区で立候補予定 渡辺正博さん
「国政を変えなければどうにもならない」

3区の渡辺正博(わたなべまさひろ)さんは上田市出身の72歳で、上田市議を6期20年経験。

■長野5区で立候補予定 後藤荘一さん
「物価対策や子育て支援が後回しにされて軍拡、何とかしないといけない」

5区の後藤荘一(ごとうそういち)さんは飯田市出身の70歳で飯田市議を5期17年務めました。

県内では2016年の参院選から国政選挙で野党の共闘が始まり、候補の一本化で与党に勝つという成功例を積み重ねてきました。

しかし、立憲民主党の泉代表は、国民民主党を除くほかの野党とは選挙協力を行わないことを明言。

これに対し、党内では野党候補の一本化を求める有志の会が設立されるなど、共闘の行方は不透明な情勢です。

立憲民主党の県連は…

■立憲民主党県連・羽田次郎幹事長                                   
「他党の動きはコメントできる立場になく、粛々と共産党もやられていると受け止めている。野党共闘の枠組みの部分も水面下で調整しながら、立憲民主党の支持者、すべての有権者の皆さんに一定の理解をいただける共闘を進めていかなければいけない」

共産党県委員会は、野党共闘が実現すれば、候補の取り下げも前向きに検討するとしています。

■共産党県委員会・鮎沢聡委員長                                     
「共闘する中でお互いの信頼関係が高まって私は長野県の市民と野党の共闘はあると楽観視している。中央レベルでの合意がないと前に進んでいかないので長野県からそういった声を上げていきたいと思っている」

一方、県内5つの小選挙区のうち4つを占める自民党県連は、「野党の共闘はあり得る」とした上で、準備を進める構えです。

■自民党県連西沢正隆(にしざわ・まさたか)幹事長                              
「5選挙区で勝てるような体制を整えていきたいと思います。自由民主党、もちろん、県議会議員、職域支部それぞれの皆さんが一致団結しないと、勝利はないと思います。改めて、選挙が近いということを皆さんに周知をして今後の準備に努めていければと思っています」

日本維新の会県総支部は。

■日本維新の会県総支部・手塚大輔代表                                                「くっついたり離れたりということを他党がやることのほうが、我々にとっては独自性やぶれないという姿勢をしっかりとお示しできるのではないかなと思います。自民党とそれに対するこれまでの旧態依然の野党というのはやはり現状維持ですので、変えるべきところは変えるんだということはしがらみのない我々しかできませんので、しっかりとそういった声に応えて改革を訴えていきたい」

衆院議員の任期満了は2025年10月。

岸田総理が解散に踏み切るタイミングも推し量りながら、県内でも野党共闘の駆け引きが続きます。