3次元のデータをもとに立体的な物を作る「3Dプリンター」は、医療の分野でも活用が進んでいます。「3Dプリンター」を使ってヒトの細胞から作った神経が、すでに3人の患者に移植され知覚神経が回復するなど注目を集めています。

◆福岡市中心部に「研究所」

RKB岩本大志「天神ビジネスセンターの9階です。オフィスが入居するこの一角にあるのが研究所です」

福岡市の再開発事業「天神ビッグバン」の規制緩和第1号として完成したオフィスビル「天神ビジネスセンター」。その一角にあるのが九州大学発のベンチャー企業「サイフューズ」の研究所です。

◆“細胞の団子”積み上げる

サイフューズ研究員 松林久美香さん「こちらがバイオ3Dプリンターになります。細胞をインクとしてプリントする形になります」

「バイオ3Dプリンター」でインクの役割を果たしているのが、人の細胞を培養して作られたスフェロイドと呼ばれる団子状の組織です。

サイフューズ 松林久美香さん「細胞の団子を積み上げてチューブ状の構造体を作っています」

細胞の塊を針が並ぶ「剣山」に積み上げていきます。

サイフューズ 松林久美香さん「細胞の団子を積み上げて、剣山の針の位置をカメラで認識して、そこに団子を設置していく」

細胞同士が自然にくっつきあう性質を生かして、血管や神経などのチューブを作っていくといいます。

◆“治療の選択肢”増える

サイフューズ 松林久美香さん「細胞を立体的にするという技術は、治療の選択肢を増やすことに貢献できる」

完成したものを見せてもらいました。

サイフューズ 松林久美香さん「これが細胞でできたチューブです」

RKB岩本大志「実際に持ち上げてみます。思ったより硬くて弾力があります」