名古屋市中区の音楽ホールに響き渡るチェロの音色。
演奏しているのは、ことし3月にウクライナから東京に避難してきた、
ラブロワ・テチヤナさん(53)と、娘のイアナさん(30)です。
(ウクライナから避難した 娘のイアナさん)
「親戚はみんな、まだウクライナに残っています」
(ウクライナから避難したラブロワ・テチヤナさん)
「毎日とても心配だし、心はウクライナに置いてきたような気持ちです」
テチヤナさんは、ウクライナの国立歌劇場に所属するプロのチェロ奏者。娘のイアナさんも音楽大学でチェロの演奏を学んできました。しかし、ロシアによる軍事侵攻が始まると、地下室での避難生活を余儀なくされることに。

その後、なんとか演奏家の友人を頼って日本へ避難できましたが、2人には、悔やまれることが…
(チェロ奏者 テチヤナさん)
「3つのチェロを持っていたのですが、日本に持ってくることはできませんでした。とても悲しいです。音楽は私の人生のすべてなので」
チャリティコンサートは、そんなラブロワ親子をはじめとする、ウクライナからの避難民を支援しようと、名古屋市中区の宗次ホールなどが開いたもので、演奏に使われるチェロも宗次ホールが無償で貸し出しました。
(宗次ホール 宗次徳二オーナー)
「チェロに限らないで、大事なものはすべて置いて、命からがら来た。演奏を通じて前向きな気持ちで、早く復活してもらいたい」
コンサートでは、ウクライナにゆかりのある演奏家らとともに、ウクライナ国歌やクラシックなど16曲を披露。コンサートの売り上げは全額、NPO団体などを通してウクライナ支援のために寄付されるということです。

(チェロ奏者 テチヤナさん)
「ひとりひとりがなにか行動すれば、戦争は終わらせることができるはず。そして演奏を通じて日本の人たちに、ウクライナの文化を知ってもらいたいです」
