18日、宮城県加美町で、野鳥を観察していた20代の男性がクマに襲われ、けがをしました。また、18日夜から19日にかけて仙台市内でもクマの目撃が相次いでいて、県は「クマ出没警報」を初めて発表し、県民に注意を呼びかけています。

大友惇之介記者:
「県内でクマの目撃情報が相次ぐ中、泉区のこちらの場所でもけさクマが市道を渡って住宅街の方へ逃げていく姿が目撃されたということです」

19日午前7時半頃、仙台市泉区館1丁目の路上に、体長1メートルほどのクマがいるのを車で通りかかった人が見つけ警察に通報しました。クマはそのまま住宅などが立ち並ぶ方向に姿を消したということです。

現場近くには東北高校泉キャンパスがあり、市の担当者が現場周辺をパトロールしてクマの痕跡を探しました。

仙台市の担当者:
「まだ見つけられてない。足跡があれば『これかな』ってなるんですが」

このほかに、18日夜は泉区北中山2丁目の歩道と青葉区霊屋下の市道脇で、19日午前9時半頃には青葉区芋沢の山林でと、クマの目撃が相次いでいます。

また、18日の朝には、加美町内の山林で野鳥観察をしていた20代の男性が体長1メートルほどのクマ1頭に襲われ、唇や腕にけがをしています。

今月10日、大崎市でも60代の男性がクマに襲われており、県内で2週続けて人的被害があったことから、県は18日、初めて「クマ出没警報」を県内全域に発表しました。

県自然保護課・大山慶一郎総括課長補佐:
「(クマ出没)『注意報』を発令している最中にまた事故が起きたということもあって、県民に注意喚起を促すために『警報』に切り替えた」

登山などで人が山に入る機会の多い夏に、クマはエサが少なくなるため行動範囲を広げることから県では県民に対し警戒を呼びかけています。

県自然保護課・大山慶一郎総括課長補佐:
「クマ自体は(夏に)行動範囲を広げる。夏山シーズンで山に入る機会も増えてくると思うのでより注意が必要」

今年は、これからもクマの出没が増えると見込まれていて、県は、目撃情報があった場所では、鈴やラジオを持ち歩くなどの対策を呼びかけています。