ウッチャンこと内村光良さんが監督を務めた映画「夏色ダンス」のPRで地元・熊本県人吉(ひとよし)市に帰ってきました。どんな思いのこもった映画なのか?RKKの単独インタビューに答えてもらいました。

ーー映画「夏空ダンス」がいよいよ公開されますね。簡単にあらすじを教えてください。そして、完成した作品をご自身で観た感想はいかがですか?
内村光良監督:この映画は、水害から2年経った人吉球磨の町が舞台で、ダンサーになる夢を持った高校生の少女の成長物語です。水害の爪痕が残る風景の中で、ダンス部の仲間や恋人とともに踊る姿は、青春そのものだと思います。試写会で観たときには、地方出身者の方からは自分の故郷を思い出したという声が多く聞こえました。復興の意味合いもありますが、思ったより青春映画だったなという感想を自分では持ちました。

ーーこれは4作目となる長編映画ですが、人吉球磨で全編撮影されましたね。どのような思いで脚本を書き、製作されましたか?
長編といっても上映時間は47分ですが(笑)私は人吉出身なので、災害後の町の様子を見て、何か表現したいという気持ちがありました。荒れ地や更地でダンスを踊るという風景は、何か絵になると思ったんです。そこから着想して、架空の高校のダンス部員たちの話を書き始めました。それぞれに恋愛や夢があって、それを追いかける姿を描きたかったんです。

ーー九州・熊本豪雨からまもなく3年が経ちます。ふるさとは内村さんの目にどのように映りましたか?
災害直後に帰ったときは、本当にショックでした。見慣れた光景が一変していて、家も流されていたり潰れていたりしていました。自衛隊や消防の方々が一生懸命作業している姿も見ました。しかもコロナ禍で日帰りでしか会えなかったので、つらさもありました。でもその後何度も帰ってみると、景色が変わっていって、人々も前を向いて一歩一歩進んでいる姿に感心しました。人のたくましさを感じましたね。

ーーそういったお気持ちは今回の映画にも反映されていますか?
はい、反映されています。冒頭では人吉市内の新しい家や商店街などが映りますが、球磨村ではまだ水害の爪痕が残っています。遮断機や鉄橋も壊れたままでした。まだ時間がかかるんだなと痛感しました。














