後遺症と診断するバイオマーカーがない
ながたクリニックには症状の辛さを理解してもらえなかったり、受け入れ先が見つからなかったりする患者が数多く通っています。


後遺症の診断の難しさについて永田院長は。

ながたクリニック 永田理希院長:「後遺症であることを診断するバイオマーカーっていうのがないんですわ。採血してこの検査でこの数字がこれだけだったら後遺症だねとか経過がいいねっていうのがわからないんです。いろんな検査をいっぱいして異常がなかったですよで終わってしまうんですわ。じゃあこのしんどいのはどうすればいいのって、迷子になっている」

いまだ治療法や診断法が確立されていないコロナ後遺症。医師には検査だけでなく患者の訴えに耳を傾け、最後まで寄り添うことが求められるといいます。

ながたクリニック 永田理希院長:「エビデンス(科学的根拠)がないからわかりませんって拒絶してしまうと患者さんが迷子になってしまう。だからそこをサポートしていく。もちろん日々、アップデートして勉強しながら最近はこういうことがわかってきて、こうするといいみたいですよとか、で、ゴールを目指して一緒に考えていこうと。検査と薬、処置だけが後遺症外来ではないと感じています」


患者と相談しながら、後遺症の治療法を模索しているといいます。

積極的に知識や経験を発信している永田院長。現場で得られた情報を共有できる場が必要だと考えます。

ながたクリニック 永田理希院長:「どういう風にすればいいのか共有できる医療関係者の学びの場を、各都道府県でも国でもしてもいいんじゃないかなと。間違っている部分はあるかもしれない。ただ、いろんな人の意見を聞きながらすると、目の前の患者さんを救えることができるのかなと…」

富山県内で医療機関がみつからなかった富山市の小林優さん。
去年10月、インターネットでながたクリニックを知り受診。後遺症に苦しんで1年も経って、ようやくコロナ後遺症と診断されました。


小林優さん(後遺症を経験):「細かく説明してくださって、私の場合は慢性疲労症候群っていうものに対する治療のアプローチが効果的だと思うっていう説明を受けて、休むことが治療だと思ってくださいっていうお話だったので、なるべく動かないようにっていうのを頑張りました」


これまでは「疲れたら休む」を繰り返していましたが、疲れるようなことをせずに、安静に過ごすよう指導をうけた小林さん。テレビを見て疲れるならテレビはみない。疲れるならタブレットもみない。7か月後、外出や仕事をできるくらいまでに回復しました。

小林優さん:「しっかり休んだら、みんなよくなるからって言われて、ただ休んでいるときは、本当によくなるのかなっていうところだったので、本当に半信半疑でしたけどよかったなと思います」

小林さんの夫・メーターさん:「少しでも楽になるんじゃないかなと思って、毎日マッサージしていました」


小林さんは夫が理解し協力してくれたことに救われたといいます。
小林さん:「一人で抱え込まなく大丈夫だよって言ってくれたり。家事も手伝ってくれたり、私の場合は足のだるさが顕著にきて疲れやすくなっていたのもあったのでマッサージをしてくれたりとかして」周りの理解がどれだけあるかで気持ちも救われるものが大きかったので周りに理解してもらえることもすごい大切かなと思います」



※コロナ後遺症の相談先として、富山県はことし3月から後遺症を受け入れてくれる医療機関をホームページで公表しています。現在89の医療機関が登録されています。参考にしてください。