クリニック「検査を受けない人もいるので実際は2割程多い可能性」

実際に医療機関ではどういう状況なのでしょうか?東京・北区のクリニックに聞きました。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「5月の3週目頃からじわじわとコロナ患者が増えていった。6月2日の大雨の後からコロナ患者が爆発的に増加し、院内での陽性率も20%~30%だったのが50%を超えるようになった。」

6月11日に発熱外来を訪れた患者23人のうち、コロナ検査を受けた患者が11人。
そのうちコロナの陽性が発覚したのは7人でした。

伊藤院長によると、
「検査を受けない人もいるので、実際の陽性者の数は2割ほど多いと考えられる」ということです。

患者の症状としては、
▼喉の強烈な痛み
▼激しい咳
▼味覚・嗅覚障害

などがあります。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「昨日(6月14日)は喘息の基礎疾患のある患者さんが重症で入院した。
患者の年齢層も初めは20代から40代が中心だったが、最近では10歳以下の子どもや、60歳以上の高齢者にも広がってきている」

北村氏:
伊藤先生のところもそうですけど、皆さん病院に行くのは「発熱」が原因として多い。
その全員が検査を受けるわけではなく、おすすめしても「お金もかかるからやらないです」という方も結構おられる。
11人受けられたうちの7人ですから、半分以上の方が陽性になるということ。
どこのクリニックも同じようなことをおっしゃっていますので、やはり「発熱」が来たときは要注意ですね。

恵俊彰:
変異ウイルスが出てきているなどはありますか?

北村氏:
それはこれから調べることになると思うんですが、今、中国はXBBという変異株が猛威を振るっていて、アメリカもXBBなので、おそらく世界的にはXBBが主流を占めています。
これだけインバウンドの方々も来られたりするので、私は今はXBBが主流なのではないかと想像していますが、今後はっきりすると思います。

入院患者数の推移

厚労省によると、コロナの入院患者数(週あたり)は、5類移行前2385人だったのが、直近(5月29日~6月4日)は4003人と約1.7倍に。
その中でもECMOや人工呼吸器などをつけている患者、いわゆる重症者の数は約1.9倍となっています。

5類に移行した後、死者数は毎日は発表されていませんが、3月20日~5月14日では、「超過死亡は見られず」とされています。

北村氏:
これは、「コロナ前と同じ程度の死亡の報告がある」ということ。
速報という粗いデータで今後どうなるかは分かりませんが、直近のデータではコロナの為にお亡くなりになるということが、劇的に増えているわけではなさそうですね。
5類になってからどの医療機関も病床数をグッと減らしていますので、今後、ドンと増えたときに対応が難しい状況も考えられます。
とにかく死亡する方を減らすというのが、今もう大前提になってますね。

感染症との同時流行

恵俊彰:
一方でインフルエンザとかRSウイルスとかヘルパンギーナとかが子どもたちの間で流行っていますよね。

北村氏:
お子さんの場合は、もうかかってしっかり免疫をつけるという立場も正しいので。
コロナは今やわかりやすくて、「ご高齢の方を守る」、「若者は普通に生活する」。
だから、若者とご高齢の方が触れ合うような機会には、マスクするとか換気に気をつけるとか、うまくTPOを考えてくださいねということです。

弁護士 八代英輝:
もちろん警戒は続ける必要はあると思いますけれども、マスクされる方も少なくなってきてるなと感じます。
自分なりの備えとしては、発熱したときの解熱剤を持っておくこと。
私の周りでも何人か感染した方がいましたけど、「今回は喉にくる」と言っている方が多いので、やはり解熱剤や痛み止めなどが必要なのかなという感じです。

(ひるおび 2023年6月15日放送より)