2019年の台風19号災害で千曲川の堤防が決壊し、大きな水害に見舞われた長野市長沼(ながぬま)地区の住民組織が、災害の記憶を受け継ごうと、記録誌をつくりました。

記録誌は、ボランティア活動をきっかけに被災直後から長沼地区に暮らす是井里智子(ぜい・さちこ)さんたちが中心となって編集し、発災の前後や避難所の様子、復興の足取りなどを住民の証言やデータとともに掲載しています。

タイトルは「つなぐおもい伝えたい想い」。

23人に聞いた住民インタビューでは、「家族で意見が分かれ、避難が遅れた」「自動車が濁流に流されて畑に転落し水圧でドアが開かなかった」など、生々しい体験が綴られています。

■長沼地区住民自治協議会・是井里智子(ぜい・さちこ)さん                                                              「いろいろ知らなかったことも聞くことができたし3年たったからなんとか話せるようになったという方もいた」

■長沼地区住民自治協議会・住田昌生(すみた・まさお)事務局長                                               「ほかの地区の方が災害が起きたときにどう動いたらいいかという教科書のようになってもらえれば」

長沼地区の住民自治協議会は記録誌を1500部作って5月住民に無料で配りましたが、災害をきっかけに離れた当時の住民にも贈りたいとして、事務局への連絡を呼びかけています。