“被爆未指定地域”で原爆にあった人達が、被爆者認定を求めている『被爆体験者訴訟』は、12日に証人尋問が行われ、物理学の専門家が原爆炸裂時、放射能が充満した “水平原子雲”が被爆地域を超えて広がり 放射能を拡散したと証言しました。

琉球大学・矢ヶ崎 克馬 名誉教授:
「“被爆体験者が被爆している”それは間違いなく真実でございます」

物理学の専門家ら3人が、原告側の証人として出廷しました。

この裁判は、原爆投下時、爆心地から半径12キロ圏内にいながら、被爆者と認められていない「被爆体験者」44人が、被爆者への認定を求めているものです。

12日の証人尋問で、物性物理学を専門とする琉球大学の矢ヶ崎克馬名誉教授は、原爆がさく裂した時、きのこ雲の頭頂部より下、地上からおよそ4キロの高さに、水平に広がる“水平原子雲”が出現したと指摘。

現在の被爆地より広い 半径およそ19キロにわたって同心円に拡散した後、風に乗って東へと流れ、雲の下にいた人は“猛烈に被ばくした”との見解を述べました。

これは、被告側の主張である「原爆の放射性物質は成層圏に拡散し 健康影響はない」とする考えに反論するものです。

次回は被告側の証人尋問が行われます。