◆広がる「フェーズフリー」


フェーズフリー協会 佐藤唯行代表理事「普段の私たちの暮らしを豊かにしているものが、もしもの時、いざというときの私たちの生活や命を支えるようにデザインされていることが、フェーズフリーの定義。まだまだ始まったばかりの考え方だが、急速に広まっていると実感」

これまで、災害への備えは、非常用の品などを別に準備することが主流でした。普段使わない「非常用品」にどれだけの費用をかけるのかが課題でしたが、日常的に使える「フェーズフリー用品」だと費用に対する見方も変わってきます。

フェーズフリー協会 佐藤唯行代表理事「防災はするべきだという思いと、備えることは難しいと思っていることが同時に存在している。すごく生活が豊かになると思って使っていたら、ついでに非常時のことも守れてしまったら、備えられないと思っている多くの人たちを守ることができるんじゃないか」


◆「かまど」にもなるベンチ


去年4月に開業した福岡市博多区の大型商業施設でも「フェーズフリー」が取り入れられています。

RKB永牟田龍太「私が座っているベンチ、多くの人が休憩に利用しますが、災害時にはかまどとして利用できます」

「ベンチ」の座面をはずして、複数のパネルを組み立てると・・・。数分で、災害時などに調理ができる「かまど」が完成します。

三井不動産商業マネジメント 浅苧尚摩さん「地震災害や食品が供給できない局面において、かまどベンチが火を使用した鍋や炊き出しなど避難時においても利用いただけるようなベンチ。フェーズフリーという考え方は大事だと思っていて、それが普段使ってもらうお客様の安心安全につながっているという点では、これからもどんどん検討していきたい」