解散するなら大義をもってか 岸田総理の脳裏によぎる“自民党総裁の任期”

井上貴博キャスター:
宋さんは、この一連の解散風というニュースが多くなりますが、どんなことを感じられますか?

産婦人科医 宋美玄さん:
今、解散をするタイミングなのかというのは、政局のことはわかんない。また解散すると、しばらくみんなそれに熱中してしまって、その間にいろんな法案を通したりもあるのかなと。

私としてはやはり岸田さんの少子化対策が少し迷走というか、異次元にぶち上げたけど、大したことを提案できなくて、むしろ子育て層の税の控除をなくしたり、あとは社会保障料を増やしたりして、現役世代の負担を増やして給付するなど、はっきり言わせてもらいますけど訳わかんない。もう少し解散でも何でもいいから、岸田さんのそれを止めてという気持ちでいっぱいなんです。

井上キャスター:
総選挙は約600億円かかると言われている。やはり主な批判としては、なぜ任期が半分以上残ってるのに今やるんだ、大義もないではないかということです。

一方で、前任者である菅前総理は解散のタイミングを伸ばして退陣に追い込まれてしまった。あの反面教師が岸田さんにもあるというのは、後藤さん、あるんですか?

TBS報道局政治部 後藤俊広部長:
それはもちろんあると思います。今回も時間軸を考えますと、2024年9月には自民党総裁の任期を迎えます。そこまでに選挙をやっておきたい、一定の成果を上げておきたい。それが再生へのベストシナリオだと、岸田さんの考えにはあります。

今の時点で例えば、岸田さんが誰かに準備をしろ、どこかの派閥が選挙準備を活発に進めてるなどの、目に見える形での動きはないんです。岸田さんは沈黙を守っている。それが非常に不気味なんですね。

井上キャスター:
政治家の皆さんはどうなんですか?綺麗ごと抜きにすると、勝てるときにやるのが全てだと考えると、大義は別に後付けで何でもなる。そういった考え方もできるんですか?

TBS報道局政治部 後藤俊広部長:
もちろんそれは本音ではあると思います。ただ、この大義は何とでもつけられる。その大義を理解・納得してもらうのはやはり有権者なんですよ。

井上キャスター:
そうしないと勝てないわけですよね。

TBS報道局政治部 後藤俊広部長:
ですから、これを理由にして解散する。それはできますが、投票する場合にテーマ設定について、我が党はこうします、野党はこうします、そういったことに有権者がどう反応・評価するかというのは、やってみないとわからない。

異次元の少子化対策は、今解散に打って出るのであれば、恐らく岸田さんとしては一番これから力を入れていくということの大きなフィールドになってくると思います。

産婦人科医 宋美玄さん:
少子化対策の案は、正直評判悪いですけどね。

TBS報道局政治部 後藤俊広部長:
ですから、野党側からすればそこの不備や財源はどうするんだということについて、野党としても政権側が示したテーマについて、追求する。そういったことになるならば、双方がこちらの分野に収れんしてくるのではないかと思います。

井上キャスター:
そうなると、見方としては、任期に関わらず、大義ができたということにもなりますね。

産婦人科医 宋美玄さん:
有権者が今の岸田さんの少子化対策案をどう評価するか、そうなるかもしれないですね。