宝牧舎・山地竜馬代表
「同じ乳牛でも、ホルスタインのオスは体が大きいため肉用牛として販売できます。しかし、小柄なジャージー牛はお肉にしても量が取れないので赤字です。経済的な価値がありません」
なぜ山地さんは“必要とされない牛”を引き取り育てるのか。
それは過去、自身の牛が廃用となったことがきっかけでした。
自身の牛が「廃用母牛」に 有意義な死とはー
ーー経済的に価値の低い牛を引き取るようになったきっかけは?
宝牧舎・山地竜馬代表
「自分の牛が何頭か廃用母牛になったのがスタート。そのとき初めて、母牛は子どもを産めなくなったら経済価値がないということに気付いて、さぁどうしたものかと。生涯飼うつもりで育てていたからね」

ーー結局どうしたのですか?
宝牧舎・山地竜馬代表
「限界まで立てなくなるまで飼いましたが、しかたなく安い値段で売ったり、安楽死させたり、自然死したり、様々な最期を迎えました。牛の幸せを考えたら自然死が一番いいんですよ。でも、もっと有意義な死というか、何かあるんじゃないかと思った」
「廃用牛は最後、美味しいお肉として販売して、人に食べてもらって喜んでもらうことによって、生まれてすぐ殺処分になるような、もっと不遇な牛たちを救える可能性があるんじゃないかと」

ーーそういった考えの中でできたのが「宝牧舎」なんですね
宝牧舎・山地竜馬代表
「うちは“牛の幸せを考える牧場”といっています。最終的にお肉になる運命だけど生きてればいいというものではなくて、健康でなるべく長く生きて、少しでも幸せに育ってくれるようにといつも考えています」
宝牧舎では様々な取り組みが行われています。

















