ーーきょうは牛を食肉処理場へ連れていく日ですが、伝えたいことなどは?
宝牧舎・山地竜馬代表
「生命の誕生が尊いなら、死も尊いものだろうと。一方は素晴らしいものと崇めて、一方は見せてはいけないものというのは納得できないですよね。死と向き合わず肉を食うというのは無責任かなと。逆にそれと向き合えないと、何か大事なものが感じられないというか。それが肉を食べることの意味だと思う、生きることの意味ですよね。食べることは生きること、生きることは食べること。何をどうやって食べますか、と」

ーー牛の幸せとは何でしょうか?
宝牧舎・山地竜馬代表
わかんないですね、牛に聞いてみてください。牛にとっての幸せは人間にとっての幸せとは何かと一緒ですよね。そんな質問、答えられないよね。だから、それを考え続けることに価値がある

ーーこれからも牛の幸せを考え続ける?
宝牧舎・山地竜馬代表
「考え続けるということですね、やっぱり。幸せを決めないということ。肉を食べることが素晴らしいとか悪いとか、自然放牧がいいと決めつけない。本当にこれで牛が幸せなのか、これが本当に人が喜ぶのかということを考え続けることの先にしか正解はないのだろうと。僕たちは牛の幸せを考える牧場。考え続けています」

徐々に広がる山地さんの思い

東京・神田のレストラン「Ome Farm Kitchen」では、宝牧舎の牛の肉が料理に使われています。

Ome Farm Kitchen・青柳陽子シェフ
「すごい綺麗な赤身で無駄な脂身がなく、お肉の美味しさをストレートに感じられます。お肉を薄くスライスして、ニンニクとチーズ、塩とオリーブオイルをかけて食べたり、煮込み料理にも合います」

ーーなぜ宝牧舎のお肉を使おうと思った?
Ome Farm Kitchen・青柳陽子シェフ

「お肉を選ぶとき、普通は値段や品質などを見ると思いますが、私は生産者の考えや思い、牛がどう育ったかというのを大事にしていて、それを食を通じていろいろな人に伝えたいと思い宝牧舎のお肉を使っています」

今、この店のように山地さんの取り組みに賛同し、宝牧舎の牛の肉を使う店が徐々に増えてきているといいます。

食べることは生きること、生きることは食べることー
あなたはどんな「牛の肉」を食べますか?


(TBSテレビ 報道局社会部 中村建貴)