食べ残しや期限切れの廃棄による食品ロスが2021年度は、推計で523万トンとなりました。コロナ禍の影響などから過去最少となった前の年とほぼ同じ量でした。

消費者庁などによりますと、2021年度の食品ロスは推計で、前の年から1万トン増え、523万トンでした。このうち、食品関連の事業者から出た事業系の食品ロスは279万トンで、前の年から4万トン増加しました。

事業系の食品ロスの集計を行う農林水産省によりますと、外食産業で廃棄量が減った一方で、食品製造業での食品ロスが増加しているということです。

食品製造業での増加はコロナ禍で、行動制限の強化と緩和が繰り返されたことによって、需要の予測が困難になったことが要因とみられています。

一方で、環境省によりますと、家庭で発生する食品ロスは、前の年と比べて3万トン少ない244万トンでした。

コロナ前と比較して、特に「食べ残し」による廃棄が減少していて、外出自粛やテレワークの普及などによって、食べ残しを次の食事で食べ切ることが増えた可能性などを要因にあげています。

国は、食品ロスの量を2000年度からの30年間で半減させることを目標としていて、目標の達成に向けて、▼食品流通の業界の習慣の見直しや、▼飲食店での食べ残しの持ち帰りの推進など、食品ロスの削減に向けた対策を進めるとしています。