これは「地域」の課題

講演のあとに行われたパネルディスカッション。「ある言葉」が飛び交いました。

本田医師「訓練をやっていく中で、家族が地域の人に自分から声をかけられるような…」

小日山さん「地域の方と接する機会あれば、積極的に話をできる機会があるんでしょうけど」

来場者「子どもたちは地域の中で育っていくものです」

発言した人の多くが「地域」という言葉を口にしました。パネルディスカッションでは、障害児を持つ家族だけが当事者ではなく、「地域で支える課題」という意識が広がりました。

パネルディスカッション

3回にわたる会議と、実際の避難訓練、そして今回の講演会を経て、少しずつ地域に障害児とその家族の現状や思いが、届き始めました。笠間さんは、次のように振り返ります。

笠間さん「民生委員さんがうちの内情を知ってくれて、会えばあいさつしてくれたりとか、タケノコ掘りやるからおいでみたいな、そういうのがすごくうれしい。参加してくれた一人ひとりの気持ちの中に、課題とか今後の思いとかがお届けできたのかなと思っています」

【取材後記】TUF記者 木田修作
災害弱者といわれる人たちの避難をめぐる課題の「当事者」は誰なのか。講演会に参加した多くの人が「地域」という言葉を口にし、自分の課題としてとらえていたのが印象的でした。佐藤さんが語っていた「一人の百歩より百人の一歩」すぐには解決できないものばかりかもしれませんが、地域に住む一人ひとりが、一歩を踏み出せば、変わるかもしれないと感じました。