ベンチャー企業の破綻は大いにあり得る

一方、大分空港がある国東市。地元の高校に宇宙コースを新設するなど、教育・産業の分野でさまざまな取り組みを進めてきました。オービット社の経営破たんが与える影響について松井市長は「宇宙港の実現に向けての方針は変わらない。引き続き宇宙港のある町・国東という機運醸成を図りながら地域活性化していきたい」と話しています。

宇宙への取り組みが進んでいたのは企業も同様です。宇宙ビジネス参入をサポートする「おおいたスペースフューチャーセンター」の高山久信専務理事は「企業の取り組みに影響はない」とした上で、今後の具体的な展開がカギを握ると話します。

(おおいたスペースフューチャーセンター・高山久信専務理事)「これまでできていなかったいろんな観光客が来るだとか、新しいビジネスを作ろうという次のステップに行くための時間ができたと思えば…。我々としては新しいビジネスを作る手伝いを今後もやっていきたい」

おおいたスペースフューチャーセンター・高山久信専務理事

宇宙へのトライを比較的前向きにとらえている県内の関係者。宇宙工学の第一人者はどのように見ているのでしょうか?

(東京大学大学院工学系研究科・中須賀真一教授)「経営破綻はベンチャー会社では大いにあり得ることで、ある種自然のダイナミクスの中では仕方がない。日本だとすぐ失敗のことで批判するみたいなことがあるが、新しいことをやったらうまくいかない時もある。それをめげないで継続してやっていく、それをみんなで応援していく、こういう姿勢が大事だと思うからぜひ頑張ってほしい」

大分空港では別のアメリカ企業「シエラ・スペース社」が宇宙から帰還する輸送機の着陸拠点とする計画も進められています。今回の事態を乗り越えていけるかどうかが宇宙へとつながる扉のカギとなりそうです。